コロナ禍は人間だけじゃない
今日からボクが暮らす兵庫県も、まん延防止等重点措置、いわゆる『まん防』が適用される。関東の自治体が申請をしたとき、大阪府、兵庫県、京都府の関西勢は申請しないことを表明していた。現状を考えるといい判断だったと思う。
だけど舌の根も乾かない翌日、やっぱり申請するとのこと。そりゃオミクロン株をデルタ株と同様の対応をしていたら、医療崩壊となってしまうだろう。結局は変異株に対する柔軟な対応ができない限り、『まん防』を適用するしかないということ。とにかく少しでも早くピークアウトするのを願うしかない。
こうしたコロナ禍に苦しんでいるのは人間だけじゃない。人間にとって身近な動物もコロナによる被害を受けている。
その動物とは、ボクが敬愛するカラスたち。
東京都心、カラスの将来はコロナ禍次第? 今はピーク時の7分の1…「ゼロになってほしくない」
東京新聞の記事。都市部の鳥類を調べている「都市鳥研究会」の調査によると、東京都心に生息するカラスの数が減っているとのこと。過去の調査でピークだった2000年と比較すると、2021年はカラスの数が7分の1にまで減少しているそう。
その理由としては3つの項目があげられている。
ひとつはゴミネットの普及。生ゴミの袋を放置すると、カラスは確実に狙う。頭のいい動物なので、袋の外からでも食べ物の有無がわかるらしい。だけどゴミネット等の普及によって、食料確保が難しくなった。
もう一つの理由は天敵の存在。猛禽類であるオオタカはカラスを捕食する。そのオオタカが山を降りて都心に現れているとのこと。おそらく彼らも食糧を求めて人間の居住地に近づいてきたのだろう。それゆえカラスたちは天敵の脅威にさらされている。
そして3つ目はコロナ禍による外食の激減。店舗の休業が続くことで、必然的にゴミが減る。東京都の事業系ごみは、2020年度で前年度より25%も減っている。自治体としてはありがたいことだけれど、カラスは食糧確保に困ることになる。
人間と共存しているカラスにとって、コロナはかなりの悪影響を及ぼしている。ボクはカラスが大好きなので、なんとかこの辛い時期を乗り越えてほしいと願うばかり。絶対にやってはいけないことだかけれど、可能ならカラスたちに食べ物と休む場所を提供してあげたいと思うほど。
カラスが人間に嫌われているのは、ゴミを荒らすことだけが原因じゃない。彼らは死肉を食べる。それが可能な内臓を進化させてきたことで生き延びてきた。だけど古代の日本のように行き倒れの人が存在する場合、人間の遺体を食べることで忌み嫌われてきたんだと思う。
でもカラスに言わせれば、人間だって死んだ動物の肉を食べているのは同じ。街に雀や鳩の死骸が落ちていないのは、カラスたちが掃除してくれているから。この調査に関わった都市鳥研究者の方が、リンク先の記事でこう述べている。
「カラスはごみをあさり悪い印象が強いが、ネズミの死骸や害虫を食べており、いなくなると困る面もある。地球に人間の思い通りにならない存在がいることを学ぶ役割も果たしており、ゼロになってほしくない」
本当にそう思う。いまの季節はカラスたちにとって試練の時期。一羽も多くのカラスが、幸せな気持ちで春を迎えられますように。
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