ウクライナ侵攻の抑止となる?
ウクライナ情勢が緊迫している。アメリカはウクライナの米大使館の家族に避難を呼びかけ、イギリスも追随している。今朝のニュースによると、日本もようやく動き出した。一部の外交官を残して、ウクライナから出るようにとの指示が出ている。
ロシアはNATOがウクライナまで手を伸ばすことを断念するよう求めている。だけどアメリカの国務大臣はその申し入れを拒否。ウクライナの大統領もNATOへの参加を希望している。ロシアとすればこれ以上の譲歩はできないという雰囲気になっている。
もしウクライナに侵攻するとすれば、いつごろなのか? ロシアとしては少しでも支援が欲しい。最大の見方は中国だろう。ということは、北京での冬季オリンピックが終了するまで我慢するのでは? 中国としてはオリンピックを成功させたい。だからそれまで待ってくれ、ということになりそうな気がする。
そうなると閉会式が行われる2月20日以降が危ない。もうすでに1ヶ月を切っている状況で、アメリカがロシアにちらつかせているのが経済制裁。その制裁について書かれた記事が興味深い。
「SWIFT」とは何か、ロシアが最も恐れる武器となりうる理由
アメリカがロシアに警告している経済制裁とは、ロシアをSWIFTから締め出すというもの。SWIFTとは国際銀行間通信協会というもので、世界各国の金融機関数千社を結ぶ、安全性の高いネットワークのこと。
1973年に設立された組織で、現在のグローバル社会においては国際金融で必須の送金手段となっている。もしこのSWIFTからロシアを締め出せば、ロシアは外貨をまったく受け取れなくなってしまう。世界貿易から完全に隔離され、立ち直るのが困難だと思うほどの悪影響を与えることになるそう。
もちろんロシアと交易している国にも影響が出る。欧州諸国はロシアから供給される石油やガス、金属等の物品を受け取れなくなってしまう。最も影響の大きい国がドイツとアメリカとのこと。アメリカはそのリスクを負ってでも、ロシアに強く警告を発している。
ただリンク先の記事を読んで知ったけれど、SWIFTは欧州が仕切っているそう。ベルギーに本部があり、EUに決定権があるとのこと。さらに構成委員にはロシア人も含まれている。2012年に実施されたイランに対するSWIFTの締め出しは成功している。結果としてイラン経済に大きな打撃を与えた。
だけど今回のウクライナ危機に関して、SWIFTがロシアを締め出すかどうかは不明とのこと。アメリカはこれを切り札としてロシアを脅しているのに、EUがどういう判断を下すことになるのかわからないらしい。もしかしたら水面下ではアメリカと合意が取れているのかもしれないけれど。
リンク先の記事を読んでいると、なんとなく不安を覚えた。こんな曖昧な状況で、本当にウクライナ侵攻の抑止力となるのだろうか? かといって応戦するとは言えないだろうしね。まぁアメリカやイギリスがウクライナに武器供給をしている段階で、すでに代理戦争の構図となっているんだけれど。とにかく何事もなく落とし所が見つかることを願うしかない。
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