今年最高の映画(まだ2月だけど)
久しぶりに俳優さんの素晴らしい演技を堪能できる作品に出会った。なんとなくタイトルで避けていたんだけれど、思い切って観てよかったと思う。
まだ2月だけど、今年観た最高の映画だと断言できる。来月には別の作品が最高作になっているかもしれないけれどwww
2022年 映画#22
『愛すべき夫婦の秘密』(原題:Being the Ricardos)という2021年のアメリカ映画。
ボクは名前しか知らないけれど、1950年代から1960年代にかけて、アメリカで大ヒットしたテレビドラマがある。『アイ・ラブ・ルーシー』という作品で、ドラマの収録は観客をスタジオに入れて行ったそう。だから音楽は生演奏で、観客の笑い声も収録されている。
夫婦を描いたドラマなんだけれど、本当の夫婦が出演していた。妻のルシル・ポールがルーシーを演じ、夫のデジ・アーナズがリッキーを演じた。その二人の伝記映画がこの作品で、月曜日の脚本の読み合わせから、金曜日の収録までの1週間を追いかけた内容。
ルシル・ポールをニコール・キッドマン、デジ・アーナズをハビエル・バルデムが演じている。そして脇役としてボクの大好きなJ・K・シモンズが出演している。この3人を含めたキャストの演技が素晴らしくて、最初から最後まで画面に釘付けになった。
まだ昨年の12月に公開されたばかりの映画なので、ネタバレはやめておこう。この1週間はスタッフたちにとって地獄のような日々だった。なぜならルシルに共産党員疑惑が浮上して、マスコミで取り上げられていたから。
この当時はハリウッドで『赤狩り』が全盛時代。だから共産党員であるだけで仕事を失う。さらに夫の浮気疑惑が週刊誌で取り上げられた。つまり夫婦にとって、仕事もプライベートも最大の危機を迎えていた。
おそらく事実に基づくことなんだろう。それだけにマジで面白かった。ラストで夫のデジがとてつもない作戦を決行して、妻の名誉を守ろうとする。その妻のルシルも当時の女性としてはやり手だった。調べてみると、彼女はこの先にテレビ局の役員にまでなっているらしい。
『アイ・ラブ・ルーシー』の基本構成を考えたのは彼女であり、夫のデジだった。全米で600万人が観ている人気ドラマで、放送日には百貨店の閉店時間が短縮されたらしい。それほどの人気なので、テレビ局やスポンサーとしてはルーシーを失いたくない。だからこそこの1週間が地獄のようになった。
とにかくニコール・キッドマンが素晴らしい。写真で確認したけれど、本物のルシルにそっくり。雰囲気や話し方も普段のニコールとちがうので、役作りをかなり研究したんだと思う。そして夫役のハビエル・バルデムがひたすらカッコいい。
この主演の二人は今年のアカデミー賞の主演女優賞と主演男優賞にノミネートされている。さらにJ・K・シモンズも助演男優賞にノミネートされた。そりゃ面白い映画のはずだよね。ノミネート作はこれしか観ていないけれど、是非ともニコールとハビエルの受賞してほしいと思う秀作だった。
ちなみにハビエルの本当の妻であるペネロペ・クルスも、別の作品でアカデミー主演女優賞にノミネートされている。同時期に別の作品で夫婦そろってノミネートなんてすごい。どうなるか楽しみだなぁ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。