美男美女だから許せちゃう
映画は主人公に感情移入する芸術だから、2時間たらずだけでもフィクション世界に自分を投影できる。だとしたら主人公は美男美女がいい。
例外があるとしたら、感動の涙を誘うような人格者が主人公の場合。そんな設定なら、多少の不細工さは許容できるだろう。でも過去にあるようなパターン作品だとしたら、可能な限りの美男美女を起用するしかない。主人公が美男美女だから許せちゃう、という映画を観た。
2022年 映画#37
『Mr.&Ms.スティーラー』(原題:Lying and Stealing)という2019年のアメリカ映画。写真のように主演の二人が美男美女だったので、ボクは最初から最後まで楽しむことができた。泥棒が主人公の作品なんだけれど、これまで過去に作られてきた作品の域を出ていない。
『オーシャンズ』シリーズのように、最終的には主人公の泥棒たちが、悪党も警察も出し抜くというストーリー。といって泥棒の腕が素晴らしいだけで、『オーシャンズ』シリーズのようにあっと驚く仕掛けはない。でもこの二人が素敵だから、やっぱ許せちゃうんだよねwww
アイヴァンはセレブの美術品を盗むのが仕事。だけど泥棒をしているのは、同じ仕事をしていた父の尻拭いをするため。ディミトリというギリシャ系のマフィアの雇い主に、父親は大量の借金をしていた。その返済のために、アイヴァンは必死になって泥棒を続けていた。
ある現場で、女優のエリスと出会う。彼女も映画プロデューサーに借金をしていて、そのために詐欺をして返済資金を作っていた。互いの犯罪に協力しているうち、二人は惹かれ合うようになる。
アイヴァンはある大きな仕事をすることで、ディミトリとの縁を切ろうとする。ところがちょっとしたミスでFBIに追われてしまう。それを知ったディミトリはアイヴァンを殺そうと計画した。
ということでアイヴァンは一世一代の仕事を仕掛ける。FBIに協力するふりをして、 警察だけでなくディミトリまで出し抜こうという計画。そのついでに、エリスの借金も返済してしまうというもの。
ピンチはあるけれど、双極性障害と麻薬中毒で療養施設を放り出されたアイヴァンの兄の協力によって、3人は計画を成功させるという結末。FBIは彼らの罪を見逃さるを得ず、ディミトリは麻薬の過剰摂取で命を落とす。これで泥棒稼業とは縁が切れた。
と思ったらエンディングでは、この3人がまたまた詐欺と泥棒をやっている。金儲けというより、そのスリルが忘れられないから。まぁよくあるパターンの作品だけれど、主演の二人、特にエリスを演じたエミリー・ラタコウスキーという女優さんが本当に綺麗。彼女を見ているだけでも楽しめる作品だった。
欲を言えば、アイヴァンの兄についてもう少し深く掘り下げて欲しかった。障害を持っているけれど、とてつもない能力があるという設定なら、3人のキャラがもっと活きたと思う作品だった。
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