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高羽そらさんインタビュー

焦点がボケボケだったなぁ

小説でも映画でも同じだと思うけれど、欲張るとあまり上手くいかない。あれもこれも伝えようとして欲をかくと、読者や視聴者はどこに自分の心を持っていけばいいのか迷ってしまう。

 

製作者サイドの気持ちはよくわかる。限られた字数や尺で、少しでも多くのことを伝えたい。だけど結局は中途半端になってしまって、何も伝わらないことになってしまう。ボクも小説を書くときは、推敲の段階でテーマを徹底的に絞ることを意識している。そうしないと焦点がボケボケになってしまうから。

 

そんな焦点がボケボケになってしまった映画を観た。設定がユニークだっただけに、ちょっと残念だったなぁ。

 

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2022年 映画#38

『プロスペクト』(原題:Prospect)という2018年のアメリカ映画。SF映画なんだけれど、時代背景や社会状況はわからない。とりあえず惑星間航行は可能な時代らしい。

 

映画の冒頭は小さな宇宙船に搭乗している父親と娘の姿で始まる。貧困にあえいでいるという雰囲気が伝わってきた。その印象どおり、父親はある惑星で希少な宝石を掘り出すことで一攫千金を狙っていた。その技術も知識もある。

 

娘のシーは、幼いころからそんな父に仕込まれたのだろう。少女なのに武器の扱いや宇宙船の操縦までこなせる。だけど本音は安住できる地で普通に暮らしたい。だから父の博打に打ち込むような生活にうんざりしている様子だった

 

そんな惑星だから、採掘に来ている荒くれ者がいる。シーと父親は武装した二人組の男に襲われ、相手の男が一人、そして父親が死んでしまう。宇宙船に戻ってきたシーは脱出しようとするけれど、宇宙船は故障していた。そこへもう一人の男であるエズラがやってきた。

 

シーは反撃することでエズラに重傷を負わせる。だけどこのままではその惑星から出られない。ということで敵同士だった二人が協力することになるという物語。二人の絆が深まっていくことで、シーにすれば新しい父親ができたという展開になっていく。

 

まぁそこからいろいろあるけれど、結果として二人の命は助かる。宇宙船を奪って惑星から脱出するというエンディング。それなりに最後まで観ることはできた。だけど最初に書いたように、焦点がボケボケになっていたように思う。

 

製作者の本音としては、微妙な関係のシー親子と、父親の死後に現れたエズラとの関係を対照的に描いているんだと思う。だけどシーがエズラになついていく過程は曖昧だし、そもそも二人の過去が描かれていない。シーの成長物語としても観られるけれど、それだって中途半端。

 

結局、消化不良のまま終わってしまった作品だった。おそらく低予算でSF映画の完成度を高めようとしたんだと思う。でもそれなら、もっとテーマを絞ったほうが面白かったと思う。世界設定としては嫌いじゃないので、もったいない気がした作品だった。

 

ただシーを演じたソフィー・タッチャーという若い女優さんはいい演技だった。どことなくエマ・ワトソンに似ている美少女で、いい役がつけば大成しそうな予感がする俳優さんだと思う。彼女のこれからが楽しみだなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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