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高羽そらさんインタビュー

終わりから見る人生の視点

今日は天赦日で一粒万倍日、かつ寅の日ということで、1年のうちでも数回しかない縁起のいい日らしい。そのせいか、Twitterのタイムラインには宝くじの広告が目についた。

 

そんな縁起のいい日だけれど、ボクは雨の中買い物をしてびしょ濡れになっただけ。新しい何かを始めたわけでも、宝くじを買ったわけでもない。まぁ温かい春の雨に濡れたということで、禊だと思っておけばいいかもねwww

 

でもボクは毎日縁起のいい日だと感じている。それは早朝になると、猫のミューナが布団に入って甘えてくれるから。慢性腎不全を発症してから、いつも彼との別れを覚悟している。そう思いつつも薬が効いて、発病から1年半が経っても元気に過ごしてくれている。毎日が宝物のような貴重な日々だから、縁起のいい日なんてあまり気にしない。

 

ただその幸せな時間を、どのような気持ちで感じるかによって過ごし方がちがってくると思っている。ボクは中年になってから、人生に関する視点を変えることを意識した。ボクにとっては、そのほうが日々を有意義に過ごせるから。

 

その視点とは、『終わりから見る』というもの。シンプルに言えば『引き算』という視点。

 

人間は生まれて自我が芽生えると、様々な経験を重ねていく。それらの経験は『始まりから見る』視点によって成り立っている。つまり『足し算』。例えばボクたち夫婦は、今年の2月で満25年の銀婚式を迎えた。

 

シンプルに考えたら、結婚してから1年ずつ積み重ねた結果として見るだろう。それが普通だと思う。でも見方を変えていくと、まったくちがう感覚で25年という日々を感じる。

 

この世で絶対的なことは、『終わり』が存在するということ。死別あれ離婚であれ、どんな夫婦にも必ず終わりがある。その終わりに視点を置いて25年という節目を見つめると、積み重ねとはちがうものを感じるはず。

 

もし終わりが40年だとしよう。ということは残りが15年だということ。今年に25年を迎えたということは、昨年に比べて一緒に過ごせる時間が1年減ったということになる。これが『引き算』の視点であって、確実にゼロという数字に近づいていく。

 

そう思って25年という月日を考えると、これからの1年、そして1日がどれだけ大切なものか実感できる。毎日カウントダウンしているわけで、終わりに向かって数字が減っていく。

 

だからミューナと一緒に過ごす時間も、終わりからの視点で感じるようにしている。そう考えると、今という瞬間がどれほど貴重で愛しいものなのかわかる。一緒にいられる日が、今日よりも明日は減っている。そう思うとその時間を必死になって抱きしめたいと感じる。

 

終わりからの視点を大雑把に当てはめると、自分が死ぬまでに起きることは回数が決まっているということ。人生にはいいことも、辛いこともある。だけど必ず終わりがあるということは、その回数は終わりの視点からすれば確定している。

 

だから今日に辛いことがあったとしよう。そんなときに終わりからの視点で見ると、辛い出来事がひとつ減ったということ。実際に辛い気持ちを今感じていても、人生全般に置いて確実に辛いことは減っている。

 

逆に今日にいいことがあったとしよう。同じくいいことがひとつ減ったことになる。だからこそ、そのいいことを全身で感じようと思える。貴重な1回分のいいことを本気で味わうことができる。

 

でも始まりの視点で見ていると、いいことが無限大に続くような錯覚によって、あまり大切にしないかもしれない。

 

そして辛いことも無限大に続くような錯覚を持ってしまい、終わりが見えない苦痛に悩むことになる。

 

人間は歳をとってくると、終わりからの視点に変えていくべきだと思う。死を迎えるときに少しでも後悔や執着を減らすには、普段から終わりを意識する生き方が大切だと思う、毎日ミューナを抱きしめながら、そんなことを考えている。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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