終活の基本は断捨離
すでに完璧な高齢化社会となった日本ゆえか、終活という言葉が定着してきたように思う。特にボクのように還暦を迎えた世代にとって他人事ではない。
先日、小・中・高校と友人だった人物から電話があった。今年の夏に高校の同窓会が予定されていて、そのお誘いの電話だった。同窓会のテーマとなっているのは還暦。参加希望者の多くは、同窓会を通じて自分の人生を総括しようと考えているのだろう。
ボクはまだ人生を総括するつもりはない。ただ友人と長電話をしながら共通の知人たちの現在を知って、ボクの心で停止している10代のころの彼らのイメージとの剥離が激しかった。それはいい意味でも、残念な意味でも。
高級ホテルの支配人だったり、会社経営者だったり、プロゴルファーだったり、還暦を迎えても現役で活躍している人もいる。その一方ですでに故人だったり、深刻な病気を患っている人もいた。あるいは離婚や配偶者の死別等の家庭事情を抱えている人もいる。
様々な人生だけれど、ボクも含めていずれ人生の終わりを迎える。それは40年後かもしれないし、明日かもしれない。「死んだ後のことなんてどうでもええわ」と考えている人なら問題ない。だけど「少しでも家族や周囲の人に迷惑をかけたくない」と思っている人にとって、終活は本気で取り組むことだと思う。
ボクも後者の一人。だから日々小説を書きながらも、時間を見つけて色々なことを調べている。だから機会があれば関連書籍を読むようにしている。
2022年 読書#63
『エンジョイ!終活』菊田あや子 著という本。著者はレポーターの仕事をされていて、ボクも顔と名前を知っている。だけどコロナ禍でロケ仕事が激減したことで、終活コンサルタントとして活躍されているとのこと。その関連でこの本を上梓されたらしい。
結論から言えば、ボクのように以前から本気で調べている人間にはあまり参考にならなかった。書籍の半分以上が亡くなられた著者の母の介護記録で、終活に関連はあるけれど汎用性を感じない。後半の終活に関する項目は一般的過ぎて、本気で調べている人には退屈だと思う。
ただこれまで終活ということをまったく考えていなかった人には、終活への入口として最適な本だと思う。この書籍でボクがうなづいたのは、終活の基本は断捨離だという著者の言葉。まさにこれに尽きると思う。
本気で終活を考える人がまず取り組むべきことは、断捨離を決行すること。つまり自分の財産だけでなく、私物も含めてどのようなものを所有しているのかを把握すること。所有している食器、下着、靴等の数を即座に答えられない人は断捨離の余地が多分にある。
その点に関しては、ボクも妻も完璧。以前にも書いたけれど、大型家具や大型家電を除けば、朝から夕方には引っ越しの準備が完了できる。そこまで言い切れるのは私物をできる限り減らし、その数量を把握しているから。
断捨離をすることで無駄なものが見えてくる。そして人生の最後を迎えると仮定したとき、どのようにそれらを処理すればいいのかイメージを持てる。そこでようやく具体的な処理方法を調査できる、ボクがやっている就活はその段階。ただ希望がちょっと特殊なので、なかなか答えが見つからない。
とにかく終活の手始は断捨離しかない。このハードルさえ越えられたら、あとはどうにかなると思うよ。
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