[gtranslate]
高羽そらさんインタビュー

自分の才能を見誤った悪例

なんだか久しぶりに、最初から最後まで登場人物にイライラする映画を観た。最悪なのは主人公の夫なんだけれど、その妻にもイライラした。映画としてはよくできた作品で、スキャンダラスな実話が見事に再現されていた。

 

150118MargaretKeane-02

2022年 映画#110

『ビッグ・アイズ』(原題: Big Eyes)という2014年のアメリカ映画。実在の画家であるマーガレット・キーンの伝記映画。マーガレットを演じているのは、写真のエイミー・アダムス。ボクがイライラしたのは、彼女が当時の出来事を完璧に演じたからだと思う。やっぱり素敵な俳優さんだね。

 

マーガレットは最初の結婚生活に失敗して、幼い娘と一緒に西海岸へ逃げる。彼女は絵を描くことで生計を立てたいと思っていた。だけど時代は1950年代で、女性画家が独り立ちするには厳しい。そんなとき、マーガレットはウォルター・キーンという画家と出会う。それで再婚してキーンという姓になった。

 

ウォルターも画家として生計を立てようとして、自分と妻の絵を画廊に売り込む。あるいはバーの一角を借りて、そこで絵を展示販売することまでやった。やがてある絵が評判になって売れる。それは妻の書いた大きな目の人物画だった。

 

ここからがのウォルターがすごい、彼には人を説得する才能と天性の社交性があり、たちまちマーガレットの絵は『ビック・アイズ』という全米を巻き込んだブームとなる。絵に詳しい人なら知っているかもしれない。

 

ただし問題があった。『ビック・アイズ』の絵にはキーンと署名されているだけ。そこでウォルターは、妻が描いた絵を自分が描いたことにした。マーガレットには嘘を並べていい含め、生活のためにはこの方がいい。女性の絵は売れない。そう言い張った。

 

ウォルターは画家としての才能はないけれど、プロモーション能力は秀逸。だから正直に妻の作品として売り込めば良かったのに、名声まで求めてしまった。自分の才能を見誤った悪例だと思う。

 

やがて一家は豪邸が立つほどの資産家となり、ウォルターは金銭だけでなく有名画家としての名声も得る。マーガレットは娘にも自分が絵を描いていることを隠し、夫のためにひたすら絵を描き続けた。この段階でクソ野郎のウォルターにかなりイライラする。

 

そしてそれを許しているマーガレットにもイライラした。ただ時代的に、女性が表に出ることが難しかったという事実はある。結局は共犯となってしまい、やがてウォルターはマーガレットを脅すようになる。もし世間にバラせば殺してやると。

 

そんな結婚がうまくいくはずがない。ウォルターのDVに耐えきれず、マーガレットは娘と二人で西海岸からハワイへ逃げる。そしてようやく真実を明かし、ハワイの法廷に名誉毀損で夫を訴えた。ここからの裁判シーンはなかなかの見もの。

 

最終的に判事が命じたのは、1時間以内に法廷で『ビック・アイズ』の絵を描くというもの。ウォルターは画家を志したものの、まったく才能がなかった。マーガレットに彼の絵だと言っていた作品も、他人の絵画の署名を改竄したものだった。当然ながら結果は見えている。

 

勝訴したのはマーガレット。それでようやく才能ある画家として全米に認められる。それでもウォルターは2000年に亡くなるまで『ビック・アイズ』は自分の作品だと言い張っていたらしいけれどwww

 

マーガレットは94歳まで長生きされた。調べてみると亡くなったのは今年の6月26日だった。つい1ヶ月ほど前のこと。だからこの映画の公開時にはカメオ出演されていたそう。気づかなかったけれど、エイミー・アダムズとのツーショット写真が映画のエンドロールで公開されている。それがこの写真。

 

150118ECMargaretKeane

 

 

年齢はちがうけれど、どことなく雰囲気が似ている。いい写真だね。イライラしたのは、主演の二人の演技が素晴らしいから。ティム・バートンが監督だと信じられないほど、真面目に作られた作品だと思う。

 

decoration/dcr_emoji_238.gifブログの更新はFacebookペーTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。

 

decoration/dcr_emoji_238.gif『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。

Diamondo Blog イチオシ芸能ニュースもっと見る

ピックアップブロガーもっと見る


インタビュー特集もっと見る

 

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

プロフィール画像

高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

プロフィール詳細 »

読者になる

このブログの更新情報が届きます。

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)カレンダー

2022年7月
« 6月   8月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)アーカイブス

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)QRコード

ブログモバイル版

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)オフィシャルブログ
http://www.diamondblog.jp
/official/sora_takaha/