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高羽そらさんインタビュー

グーグルアースが親子を再会させた

もう7〜8年ほど前のこと。7歳のときに家出して生き別れになった母の実家を探したことがある。小学校1年生のときに行ったのが最後の記憶。それでもその家が平家で土間があり、部屋の間取りも覚えている。家の前の道も、近くの銭湯までのルートもなんとなく覚えていた。

 

成人になってから亡くなった父に、京都市左京区の吉田あたりだと聞いたことがある。正確な住所を聞けばよかったけれど、一緒に酒を飲んでいたときのことで、それ以上は聞かず終いだった。これだけの材料で探すとすれば、考えられるのはGoogleアース。

 

だけど左京区の吉田と言ってもかなり広い。記憶も曖昧だし、50年以上前の平家の家なんて残っている可能性は限りなくゼロに近い。ましてや周囲にマンションやビルが建っていたら面影がないだろう。その予感どおり、Googleアースで確認してもまったくわからない。

 

とりあえずいくつかポイントを絞り、妻と二人で京都まで出かけた。でも結果として歩き回っただけで、それらしき場所はまったくわからなかった。母の実家はたまにしか行かなかったから、仕方ないよなぁ。住んでいたなら、もう少しわかっただろうけれど。

 

ところが京都どころではなく、なんとインドというとてつもなくでかい国で、生き別れになった家族をGoogleアースで見つけた人がいる。その実話を映画化した作品を観た。

 

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2022年 映画#115

『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』(原題:Lion)という2016年のオーストラリア、アメリカ、イギリスの合作映画。これが実話だということに、驚きの声しか出ないすごい内容だった。

 

主人公はサルーという5歳の少年。兄と妹、として母の4人家族。貧しい暮らしで、兄と一緒になって生活を支えようとしていた。あるとき仕事を探しに行くという兄に無理やりついていって、サルーは迷子になってしまう。駅で兄を待っているあいだ、うっかりと無人の列車に乗ってしまった。

 

到着したのはインドのカルカッタで、いまのコルカタ。サルーは出会った大人に必死で助けを求めるけれど、記憶している街の名前が正確じゃなかった。だからどこから来たのかわからない。母親も「母ちゃん」と呼んでいたので正確な名前がわからない。

 

様々な危険な目に遭いながら施設に収容され、最終的にオーストラリ人夫妻の里子となる。そして立派に成長したサルー。迷子になってから25年が経過していた。大学生のときに恋人のルーシーと知り合い、Googleアースを使って住んでいた街を探すことを検討する。

 

当時の列車のスピードと、乗車していた2〜3日という期間でおおよその距離を出した。そして自分の記憶を頼りにGoogleアースをチェックするけれども、京都市の左京区を見ているのと規模がちがう。インドという大陸はあまりにも広くでどうしようもない。

 

何度も諦めかけたとき、ついにサルーは生家のあった場所を見つける。迷子になる前に兄と列車に乗ったことを計算に入れていなかったので、想定していた場所よりもまだ遠いところが実家だった。

 

結論から言えば、母と妹はすぐ近くに引っ越して生きていた。残念ながら兄は迷子になったサルーを探しているとき、列車事故に遭って25年前に亡くなっていた。だけど母と息子の再会シーンは、ボクの顔がぐちゃぐちゃなるほど涙が止まらなかった。

 

大人のサルーを演じたデーブ・パテールが素晴らしい。以前から好きな俳優さんだったけれど、期待を裏切らない演技だった。そしてなんとサルーの恋人役が、ボクが大好きなルーニー・マーラだよ〜〜!!! ということで二人の写真もアップしておこう。

 

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そして忘れてはいけないのは、サルーの里親夫婦。妻はニコール・キッドマンで、彼女の演技ゆえに泣いたシーンがいくつもある。そして夫を演じたのがデビッド・ウェナム。『ロード・オブ・ザ・リング』や『スリーハンドレット』では剣を手にして戦う戦士を演じたけれど、この作品では最高の父親役だった。やっぱりいい俳優さんだよなぁ。

 

ちなみにサルーという名前も彼の記憶違いだったというオチ。本当の名前は「シェルウ」で、インドの言葉でライオンのこと。だからこの映画のタイトルがそうなっている。そして、そして、この映画のエンドロールは絶対に最後まで観ること。

 

本物のサルーが、オーストラリア人の養母を連れてインドの母親に会いに行く映像が流れる。3人が抱き合った動画を見て、またまた顔が涙でボロボロになってしまった。この感動はGoogleアースがあったから。現代らしい物語だよね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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