最強のアプリは“ハンズフリー”
少し前だと財布にポイントカードが何枚も入っていた。クレジットカードも財布のカード入れに押し込まれている。だから使うときには何重もの手間をかけなくてはいけない。レジに並ぶ前に目的のポイントカードを見つけておかないと、支払い時に大慌てすることになってしまう。
でも最近はポイントカードがアプリに組み込まれているので、ドラッグストア等に行ってもスマートフォンを出すだけでいい。クレジットカードもスマートフォンに登録しているので、Apple Payが使える店舗ならiPhoneだけで支払いが完了する。
これでもかなり便利になったと思うけれど、スマートフォンを出してアプリを起動させるという手間が必要。やっぱり最強なのは“ハンズフリー”であること。特に移動中の交通機関で“ハンズフリー”による精算ができたら最高。難しそうだけれど、すでに実装している国がある。
この夢のようなシステムを導入しているのはイタリアのジェノバ市。日本の日立製作所のグループ会社によって導入されている。リンク先の記事を読めばわかるけれど、これはめちゃくちゃ便利なだけでなく、運用上の詳細なことまで考慮されている。
Bluetoothセンサーが配置されていて、アプリを起動するだけでジェノバ市の交通機関が利用できる。いちいちスマートフォンを出す必要はなく、手ぶらで歩けば勝手に精算される。このシステムがどれだけ大がかなりなものか、リンク先の記事から抜粋してみる。
『同市ではバス663台、バス停2500カ所、地下鉄、ケーブルカー2基、登山鉄道1路線、公共エレベーター10基、郊外バス2路線(全長50km)など市内7000カ所にブルートゥースセンサー(ビーコン)を設置。電気自動車のレンタルや駐車場料金の支払い、利用可能な電動スクーターの位置確認などもスマートフォンのボタンを押すだけでできるという』
これらの利用に関してアプリがすべてを管理している。乗るときも降りるときも、そのまま通過するだけでいい。ジェノバ市の公共交通機関は100分間乗り降り自由の定額料金なので、その100分という時間もアプリが計測している。さらに最大料金が1日乗車券の金額を超えないように精算される。
センサーの感度も調整されていて、例えばアプリを起動したまま自転車でバスと並走しても課金されることはない。ジェノバ市としても、利用者の動向データを完璧に把握できる。だから運行計画にもフィードバックできるという利点がある。不正乗車のチェックも可能になるそう。
日立によると、ジェノバ市だけでなく複数の都市でこのシステムの導入が進行中とのこと。ここで問題となるのが日本。日立製作所の本家本元の日本だけれど、困ったことに導入に関してハードルが高いとのこと。自治体や交通機関との調整が難しいのだろう。
日本で導入するには自治体が大幅に規制緩和するだけでなく、鉄道やバスを運営する会社の全面的な協力が必要になってくる。でもSuicaやICOCA等の鉄道系ICカードの利用状況を考えたら、このシステムの導入は可能だと思う。試験的にでもいいから、まずはどこかの街で導入してほしいなぁ。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする