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高羽そらさんインタビュー

人の闇が繋ぐ人間関係

闇という言葉から受けるイメージは、どうしてもネガティブなものになりがち。でも闇というのは光が当たっていないというだけで、闇=悪ではない。

 

だから人の闇という場合、一般的なイメージに合致する犯罪的なものもあるだろう。だけど光が当たっていないという意味では、本人が気づいていない能力も闇と表現できる。あるいは気づいていても、あえて他人に見せていない能力を秘めている人もいる。それだってその人の闇と表現できるはず。

 

妻が独身時代、職場に不思議な能力を持っている男性がいたそう。職場に手紙が届くと、封を開けることなくその中身がわかるという人だった。それはドラマのシャーロックのように、観察力と推理力によるものじゃない。明らかに透視能力と言えるものだったそう。

 

例えば妻がその場で白紙の紙に何かを書いて隠しても、その内容を完璧に言い当てたらしい。だからその男性が冗談で女子社員に顔を向けて、「さて、今日のパンツの色は?」と言って目を細めるだけで、キャーと叫んで女性たちは逃げたそうwww

 

まぁこの男性の場合はその能力に光を当てているので、闇とは言えないだろう。だけど他人には言わず、密かにそうした能力を使っている人がいても不思議じゃない。だから闇というものは、決して見えることのない『月の裏側』と同質のものなんだと思う。たしかに存在するけれど、決して見えないもの。

 

そんな人間の闇について書かれた小説を読んだ。

 

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2022年 読書#79

『月の裏に望む』ことわ荒太 著という小説。

 

最初は読みづらい物語だった。6つの短編で構成されている。登場人物のキャラが少し曖昧で、イメージをつかむのに苦労した。ところが読み進めていくと、前の物語に登場した人物が関係してくる。最後まで読み終えた段階で、6つの短編の主人公たちがつながっているという群像劇のような構成になっていた。

 

つまり6人の主人公たちの闇が描かれている。幽霊が見える人もいた。あるいは、肉体関係を持つことになる人物を見分ける能力なども出てくる。だからその人は写真を見るだけで、対象者がどうなるかを言い当てることができた。その能力を使って、ネットで小遣い稼ぎをしているのが面白かった。

 

もちろん人間の闇は、そうした特殊能力ばかりじゃない。結婚相手や恋人に関すること。それだって自分の闇に向き合うきっかけになったりする。登場人物が多くて少し混乱するけれど、最後まで読むと全体像がつかめてくる。

 

人間の闇を描きつつ、それらを通じて人と人が繋がっていることに好感を持てる内容だった。人間は自我という意識を抱きつつ、集合無意識のようなものにも動かされている。人間の闇というのは、そうした無意識下に作用するのかな、と感じる小説だった。もしかしたら複数回読むと、さらに理解が深まる物語かもしれない。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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