アン・ハサウェイが出てこない
日本で未公開だったけれど、2021年に公開された映画がある。『ロックダウン』というタイトルで、アン・ハサウェイが主演している。他のキャストも魅力的な俳優さんばかり。その映画がようやくAmazonprimeで配信になった、はずだった……。
そう思って観始めたけれど、アン・ハサウェイが出てこない。あれ、あれ、と思って調べてみると、まったくちがう映画だったwww
2022年 映画#137
『ロックダウン 非常事態』(原題:Radioflash)という2019年のアメリカ映画。映画の途中で気がついたけれど、これも縁だと思って最後まで観た。映画としてはB級作品だけれど、最後まで観ようと思うだけのドラマにはなっていたと思う、
主人公はリースという若い女性。Eスポーツが得意らしく、VRの脱出ゲームで謎を解いて無事に脱出するというシーンで始まる。その日の夜、事故なのかそれともサイバーテロなのかわからないけれど、アメリカ西部の電力が完全に停止してしまう。
リースの祖父はそうした事態を想定していて、深い山奥で暮らしていた。無線で祖父と連絡をとったリースは、父親と一緒に祖父の家へ避難することになった。ところが街は混乱していて、すでに略奪が始まっている。アメリカ社会の得意分野。
ここまでが前半で、後半になって一気にB級作品へと転落していく。まずは自動車事故で父親が負傷。どうにかある農家にたどり着いたけれど、父はそのまま死んでしまう。父を埋葬したあと、その農夫に祖父の家まで送ってもらう途中、強盗の男に農夫は殺され、キャンピングカーの背後に潜んでいたリースはどこかへ連れ去られる。
ここまででも十分にいい加減な展開なんだけれど、さらに変な一家が登場する。車椅子の老女と息子、そして孫の3人家族。野獣のような一家で、強盗は息子によって射殺。リースは囚われの身となってここで一生暮らすように強要される。二人の男性にとって若い女性は貴重だから。この時点で都会のロックダウンがどうなったかは語られない。映画はますます変な方向に突き進んでいくwww
最終的に孫のクインに助けてもらい、二人で脱出する。もちろんクインの父親は追いかけてくる。危機一髪となったとき、都合よく現れた祖父によってリースたちは助かるというエンディング。オープニングの脱出ゲームのフリは無視されている。あれはなんだったの?
さらに執拗にリースは無線機で連絡を取ろうとするけれど、電池が切れて終わり。祖父の捜索も能力の高さを感じさせそうで、結局は深く語られることがない。ロックダウンも冒頭の伏線も、どうでもいいという感じて回収されることなく終わってしまう。そもそも死神の爺さんはどういう意味なん?
とまぁ映画してはツッコミどころが満載。ただリースを演じたブライトン・シャルビノがなかなかいい。決して美人じゃないし、華がある女優さんでもない。だけど独自の雰囲気を持っていて、作品に恵まれたらいい女優さんになるだろうと感じた。
そしてどこかで観たことがあると思った父親役の俳優さん。調べてみたら『ロード・オブ・ザ・リング』でホビットのメリーを演じていたドミニク・モナハンだった。ちょっと歳を取ってさらに痩せていたので、まさかメリーだとは思わなかった。最近の彼を観られたので、ボクとしてはお得な映画だったと思う。
間違って観た作品だけれど、出会いというのはそういうもの。アン・ハサウェイに会えなくて残念だったけれど、それなりに楽しい時間だった。
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