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高羽そらさんインタビュー

文体より大切なもの

最近になってよく見かけるのが「おじさん構文」という言葉。中高年の人が書く文章を揶揄したもので、老害と同質に扱われている。文章というのは文化であり、世代間のギャップがあるのは当然。「おじさん構文」世代真っ只中のボクだって、昭和の初期に書かれた文章を読むと違和感を覚えた。

 

最近では「おじさん構文」だけでなく、「おじさんLINE」という言葉もあるそう。それ何? とおじさんのボクが抱く疑問にわかりやすく答えてくれた記事を見つけた。

 

中高年は知らない…若者がLINEで句読点がついた文を心底嫌悪する本当の理由

 

「おじさんLINE」というのは、句読点がついた文章のこと。ボクはこの時点で????となってしまった。文章に句読点があるのは当然。そう思っている時点で、すでに「おじさん」ということらしい。

 

リンク先の記事を読むと、若い世代が「おじさんLINE」を嫌悪している理由がわかった。LINEというメッセージアプリに対する感覚が、中高年と若い世代は根本的にちがっているということだった。

 

ボクの世代はパソコンやネットの黎明期を経験している。デジタル機器がなかった時代を知っていて、やがてネットやメールと出会った。それゆえメール文章の礼儀というものを、それなりに学んでいる。紙とペンで書く文章よりはくだけているけれど、メールマナーを守ろうということは意識してきた。

 

例えばタイトルをつけるとか、文末に名前を入力するとか注意している。普通の手紙のように時候のあいさつを書いている人もいる。その延長でLINEを使っているので、メッセージアプリというのは、ややラフに書けるメール文章だと考えている。

 

ところが若い世代はちがう。生まれたときからネットが存在していて、LINEのようなメッセージアプリは会話の延長だと考えている。友人たちと普段から会話している流れのものであって、『文章』ではないということ。つまり句読点など最初から存在していない。

 

だから中高年が句読点のある文章をLINEで送信すると、会話に『文章』を押しつけられたという不快感を覚えるらしい。想像はできても、その感覚は理解できない。でも若い世代にすれば句読点のある文章は「おじさんLINE」ということになるそう。マジで世代間ギャップを感じてしまう。

 

でもリンク先の記事の著者は、中高年に向けてこう述べている。

 

『いったいなぜ「若者的であることが善」で「おっさん的であることが悪」という価値観を所与のものとする雰囲気がこの社会全体に広がってしまったのだろうか。私はそれこそ「年齢差別」そのものであると考えているのだが』

 

この意見に激しく同意する。文体のちがいは文化の変遷であって、善悪の判断基準ではない。馴染めないとか、好きでないと思うのは勝手だけれど、文体だけで相手の存在を切り捨ててしまうのは大馬鹿者のやることだと思う。

 

文体より大切なものがある。それは『何』を伝えたいかということ。

 

ボクは最近になって鎌倉幕府が残した文章である「吾妻鏡』を読んでいる。さらに毎朝、『源氏物語』を少しずつ読んでいる。どちらも原文ではなく、現代の言葉に訳されたもの。残念だけれどオリジナルの文体を読むことはできない。

 

だけど文体を嫌って読まなければ、それらに書かれていることを知ることはできない。それってとても大きな損失だと思う。ましてや同じ現代に生きている人間同士の世代間ギャップならば、翻訳しなくても相手が『何』を伝えたいかを読み取ることはできるはず。

 

そうしたちがいを容認して本質を見ていくことが、真の意味での『多様性』ではないだろうか。たかだか文体のちがいで年配者が若者に迎合したり、若い世代が中高年の文章を揶揄して本質を見落としてしまうなら、多様性が求められる世界のグローバル社会から置いてきぼりになるだけだと思うなぁ。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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