引っ越し先を決めたのは猫
ボクが京都で生まれ育って40代後半まで暮らしたのち、神戸に引っ越して今年の秋で14年になる。なぜ神戸なのかと言えば、単なる思いつき。
妻も生まれてから京都で暮らしてきたが、二人とも言葉にできない転機の到来を感じていたんだと思う。要するに神戸という土地に呼ばれたのだろう。でも実際に引っ越すとなると、なかなか大変だった。
勤務先の取引で仲良くなった銀行員の男性が神戸出身だった。それで理想的な引っ越し地域を尋ねると、神戸市の場合は中央区、灘区、東灘区がいいとのこと。もし予算が合わなければ、須磨区や垂水区も利便性に優れていると聞いた。
ところがいざ物件を探してみると、京都のマンションを売却して買い替えた場合、それらの地域は予算オーバーしてしまう。それで最初に目をつけたのが北区の新築マンションだった。すでにほぼ完成していて、実際に物件を見に行った。
神戸の中心地からは離れているけれど、近くにショッピングモールもある。環境的にも、予算的にも、どうにかいけそうな物件。ところが実際の部屋を見て、ある決定的な理由で断念するしかなかった。
それは近くを走る高速道路。マンションとそれほど近いわけじゃないけれど、窓を開けていると微妙な音が耳につく。普通の人なら気にならない程度。ボク個人としても、許容範囲だと感じる音だった。だけど猫のミューナはちがう。
猫の聴力は人間よりはるかに優れている。隣の部屋で針が落ちる音が聞こえると言われているほど。１年中この音を聞かされていたら、ミューナにとってはじわじわとストレスが積もってしまうだろうと感じた。妻もその意見に同意してくれて、この物件は却下した。
たかがそんな音程度で？ そう思う人は多いかもしれない。だけど動物にとって騒音は健康状態に大きく影響する。
騒音は動物たちに深刻な被害を与えている、どうすれば悪影響を抑えられるのか？
リンク先の記事は、騒音が動物に与える影響を解説したもの。動物によって聞こえる音の領域はちがう。だから人間の感覚だけで判断すると、騒音による健康被害が動物に出てしまうこともあり得るそう。
『動物の騒音に対する感度を見極めるのは困難ですが、最も重要なのは周波数が高いか低いかではなく、周囲の騒音が動物の可聴域に収まっているかどうかです」とのこと。つまり猫の可聴域を想定してあげないと、人間が思いもしないストレスを与えてしまうかもしれない。
結果としてその物件を見送ったことで、現在の灘区のマンションに出会えた。ここは神戸の震災による建て替え物件だったことで、我が家の予算内で購入できることになった。そのうえ六甲山の麓で、主に聞こえてくるのは野鳥の声。ミューナにとっては、過ごしやすい環境じゃないかと勝手に思っている。
だって引っ越した当時は２歳だった彼が、すでに16歳になっているからね。２年ほど前に慢性腎不全を発症して、いまは投薬中。それでも食欲が落ちることなく、体重も若い健康な時代まで戻った。それは彼にとって、この家の環境が適しているからだろうと思う。
いまの季節は窓を開け放していることが多いけれど、涼しくなれば窓を閉められる。そうなればさらに外の音がシャットアウトされるので、ミューナもより快適に過ごすことができるはず。おそらくこの家は、彼が選んだ物件なんだろうなぁwww
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