目線は交通事故を減らす
コロナ禍で恒例だった春のお花見ドライブを中止しているので、ボクはここ3年ほど自動車のハンドルを握っていない。それでも自動車に乗らないことで、交通事故に遭うリスクは大きく減少している。ほぼ歩く生活をしているので、歩行者としての事故回避に努めればいい。
歩いていてもっとも注意しているのは、信号のない横断歩道を渡るとき。こちらが横断しようとしているのに、スピードを落とさずに目の前を通過していく自動車に何度も遭遇している。
今年の春に運転免許証の更新をしたとき、講習で重点的に説明されていたのがこの事例。実際に事故が多く、罰則が強化されているとのこと。昨日もJR六甲道駅近くの横断歩道で、警察官が取締のために目を光らせていた。
信号のない横断歩道で歩行者を見かけた場合、自動車の運転手は絶対に停止しなくてはいけない。ところが平気で突っ込んでくる自動車が後を絶たないので、取締強化と厳罰化が進んでいるのだろう。
ボクがそうした横断歩道を渡るときに意識しているのは目線。近づいてくる自動車のドライバーに目線を合わせ、ボクを知覚しているかどうかをチェックしている。というか「渡るで〜〜!」という念波をドライバーにぶつけていると表現する方が近いかも。
ドライバーと目線が合わない、あるいは確認できない場合は足を止める。そういうときは、たいてい止まらずに突っ切ってくるから。歩行者が優先だとしても、ドライバーが確認してくれなければ痛い思いをするのはこちら。だからそんな目線を常に意識している。
目線を応用することは、自動運転の自動車にも効果があるらしい。
自動運転車に「目」をつけたカーズのような車で、歩行者との事故が減る?
東京大学の大学院が研究チームを組んでユニークな実験を行った。今後道路を走るであろう自動運転車。歩行者との接触事故がもっとも懸念されているが、少しでも事故を減らすために目線の効果が研究された。
つまり自動車に『目』をつけてみたそう。そしてその自動車の目線によって、歩行者の動きがどのように変化するかを検証している。ちなみに実験に使われた自動車はこんな雰囲気。
なんか可愛い! パッとみてわかるように、目線が合う場合と、合わない場合の2種類がある。この写真を見れば感じるように、目線が合うと自動車が自分を認識してくれているように感じ、合わない場合は自分を知覚していないと感じる。
結論から言えば、目をつけた場合のほうが交通事故を防ぐ効果のあることがわかった。記事から抜粋してみよう。
・男性では、危険な道路横断(車両が通過しようとしている状況での横断)が49%から19%に減っており、
・女性では、安全な状況(車両が停止しようとしている状態)での無駄な横断停止が72%から34%に減っていました。
目線によって危険な道路横断が減ったり、逆に安全に渡れる時の無駄な横断停止が減少している。機械である自動車でも、見られている、あるいは見られていないと感じることで、より適切な行動が取れるということ。なかなか面白いよね
この目線の効果を、自動車メーカーは積極的に取り入れるべきだと思う。自動運転車に関して、日本は完全に世界から遅れを取っている。だけど安全面の確保ということに関して、目線を活かした新しい自動車を開発できるように思う。
もしそうなれば、可愛い顔をした自動車が道路を走り回る。センサーで人間を知覚したら、そちらに視線が動くだけで胸キュンになりそう。そうなれば自動車メーカーによって個性のある顔ができるんだろうな。そんな世界が見たくなってきた。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。
コメント (0件)
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする