新築のトイレが汚れていたら
一戸建てでも、集合住宅でも、新築というのは気持ちがいい。生活すればすぐに汚れるけれど、新築でしか味わえない気持ちよさがある。だけど建物の施工というのは業者によってピンキリで、ボクは20代のころにいい加減な工事の爪痕を何度も見ている。
消防設備の点検や工事で、天井裏に入ることが多い。いい加減な施工で目につくのはその天井裏が多い。本来なら片付けておくべき廃材やゴミが放置されているのをよく見かけた。電気配線のケーブルが放置してあったり、杜撰な施工跡が隠されていることもあった。
同じく床下にも廃材がよく置かれていた。建物の引き渡しのときに天井裏や床下まで確認する施主は少ない。見た目が良ければ、それで引き渡しを受けてしまう。杜撰な施工業者はそのことを知っているので、いい加減なことをやってしまうのだろう。
だけど見えないところだけじゃない。ボクがいまのマンションを決める前、神戸のマンションをいくつか内見した。完成している物件で気になったのはトイレ。まともな業者なら新築物件のトイレを使うなんてあり得ない。大抵のトイレには封印がされていて、使用されていないことがわかるようになっている。
それでも完成したマンションで売れ残りがあった場合、現地モデルルームとして販売されていることがある。ということは販売会社の社員が常駐している。その社員たちのトイレは? 絶対に使っていないと説明されても、ボクなら現地モデルルームを購入することはしない。それは新築物件だとは思えないから。
そんな新築物件でトイレトラブルが起きた場合、法律的にはどうなるのか? 賠償してもらえるのだろうか?
「トイレが汚れてる!」注文住宅オーナー襲った悲劇…業者に奪われたオシッコ一番乗り、「責任取らせたい」弁護士の答えは
結論から言えば、施工業者に責任を取らせることは可能とのこと。リンク先の記事に書かれている事例を見たら、そうでなければ納得できない。
「トイレの洋式便器が汚れていたんです。すでに水は流されていましたが、便器や床に黄ばみがはねていて、明らかに誰かがオシッコしたとわかりました。新品のトイレにうれしくなって、汚れに気づく前に便器を触ってしまったので不快でした」
これはキツい。せっかくの注文住宅が台無し。住宅会社に犯人を追求したところ、内装業者の可能性はあるけれど特定できなかったそう。最終的に住宅会社の謝罪を受け入れ、清掃してもらうことで決着。だけどトイレを使われたことがずっと気になったままとのこと。
そりゃそうだろう。ボクなら絶対に交換させる。そして法律的にはそれが可能らしい。
新築物件はすべて新品として引き渡すことが条件。だから使ったトイレは中古品なので契約不履行となってしまう。弁護士によると、「トイレ部分の施工のやり直し」(便器、便座、付属設備、床・壁紙の全交換)や、それによる工期延長のための「引渡遅延に対する補償」を求めることは履行の追完の相当範囲内と思われます」
ここまで補償する義務が業者にはあるので、リンク先の記事のように清掃で和解するのはもったいないと思う。もし期日までにやり直しができない場合、請負金額の減額を求めることも可能らしい。
たかがトイレ、されどトイレ。高額な買い物なのだから、法律を熟知して絶対に妥協するべきではないと思う。
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