健康関連の統計をどう読むか
健康寿命という言葉が定着しているように、現代人の関心は健康で長生きできる方法にフォーカスされている。医学的な新発見や新たな治療法だけでなく、実際に健康で長生きした人の事例を統計化する作業が進められている。よく目にするのが、コーヒーを飲めば長生きできるというようなもの。
コーヒーの場合だと、まだ賛否両論が発生する。だけどタバコに関して言えば、吸ったほうがいいというデータは出てこない。それほど健康に害があることが常識化したから。となると喫煙者が関心を持つのは、いつまでに禁煙したらいいのかということ。それについて最新のデータが報告されている。
タバコを35歳までにやめると「死亡リスク」が吸ったことがない人と同じになる
リンク先の記事は、アメリカのがん学会が報告したもの。55万人のデータをまとめた内容で、禁煙の時期が死亡リスクに与える影響を調査している。結論から言えば、35歳までに禁煙すれば吸ったことがない人と同じレベルの死亡リスクになるとのこと。
35歳までに禁煙すると、非喫煙者より3%ほど死亡リスクが上がる程度。ほぼ同じだと言っていい。でも35~44歳の間に禁煙した場合の死亡率が21%、45~54歳では47%、55~64歳では74%も高くなり、まったく禁煙しなかった場合は死亡リスクが180%増になってしまう。ほぼ3倍という数値。
かなりの数をデータ化している結果なので、信頼性の高い結果だと思う。だから20代の喫煙者なら、いますぐ禁煙することでチャラにできることになる。ちなみに15歳からタバコを吸っていたボクは、成人してすぐに禁煙した。だからすでに非喫煙者と同じ死亡リスクだと思う。
ただこうした健康関連の統計をどう捉えるかは、その人次第だということ。喫煙者の死亡リスクが高いのは歴然。これに関しては議論の余地はない。でもあくまでも数字上のことであって、絶対的なものではない。つまり例外というものが存在している。
ヘビースモーカーなのに100歳を超えるような人もいる。ボクが京都祇園の芸舞妓事務所で働いているときも、90歳近い超、超、超、ヘビースモーカーの芸妓さんがいた。その一方で非喫煙者であっても、他の病気で早世する人もいる。
同じくお酒に関しても同様のデータがよく報告される。つまり判断する材料は揃っているけれど、どうするかは本人次第だということ。
ここでボクの大好きな運命論が登場する。
ヘビースモーカーで大酒飲みの20代男性をイメージしてみよう。もしその人の運命が80歳だとすれば、何があっても80歳まで生きる。もしタバコやお酒がこの人物の健康を害するとすれば、こうした統計が必ず目につく。それで気になって禁煙や禁酒をするだろう。
でも80歳の死因に喫煙や飲酒が関係なければ、この人が20代のときにこうした統計に目を止めることはない。もし目にしても無視するだろう。それほど個人的なものだと思っている。
要するに自分の死期を変えることはできない。これが運命論者の発想。ボクはそのことを意識して健康関連の統計を見ている。もし禁煙が必要なら、ボクのように健康問題を意識することなくタバコをやめられる。あるいは急に気分が変わって、お酒を飲みたくないと思ったりする。そんな流れに任せていればいい。
ボクのような運命論者のいいところは、流れに任せることでリラックスできるということ。その代わり明日が死ぬ日であっても、受け入れるしかないけれどね。
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