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高羽そらさんインタビュー

挑戦的な二次創作でお腹いっぱい

いつ読了できるかわからない、と本気で心配するほどの大長編を読んだ。小さな文字の二段書きで、630ページもある単行本。1日2時間かけても100ページに届かず、結局読了するのに10日ほどかかってしまった。本が重くて筋肉痛になったわwww

 

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2022年 読書#102

『<新・銀河帝国興亡史1>ファウンデーションの危機』グレゴリイ・ベンフォード著という小説。著名なSF作家のアイザック・アシモフの代表作である『ファウンデーション・シリーズ』のスピンオフ作品。

 

というよりもアシモフの矛盾を突いた挑戦的な匂いのする二次創作作品。それでも作品に対する愛を感じ、愛するがゆえに書かずにおられなかったという印象が伝わってきた。アシモフが書いたシリーズは関連作を含めて10作品。それらをすべて読了したことで、ようやく他の作家が書いた二次創作に手をつけた。

 

タイトルでもわかるようにナンバーが付いている。この新シリーズは全部で3作あって、3人の作家が1作品ずつ執筆している。その第1弾がこの作品。このシリーズに興味がない人にとって、あらすじを説明されても意味がないだろう。なのでボクの読書メモとしてブログに残しておこうと思う。

 

このシリーズ全体に影響を与えている登場人物は二人いる。ひとりはR・ダニール・オリヴァーというロボット。2万年も存在しているロボットで、銀河系をワンネス意識にするために人類を誘導してきた。アシモフの最終作は、オリヴァーがその仕上げをするところで物語が終わる。

 

もう一人はハリ・セルダンという数学者。ファウンデーション構想を創設した人物で、心理歴史学を構築することで人類の未来を導いた。現在の帝国が滅亡したあと、人類は3万年もの苦難の時代を過ごす可能性があった。それを千年に短縮するためにファウンデーション構想を作り上げた人物。

 

アシモフの原作では、セルダンの心理歴史学はやがて影に消えていく。セルダンが死んで500年が経過したときには、ファウンデーション構想そのものが形骸化していた。それはオリヴァーにとって折り込み済みで、彼はセルダンを利用していたということでアシモフは筆を置いている。

 

この二次創作は、そんなセルダンの心理歴史学をリアルなものとして追求している。アシモフが書けなかった物理学的要素を加味することで、より深い物語に変えていこうという挑戦的な内容だった。

 

とてつもなく長いこの物語では、心理歴史学の学説を構築する背景が詳しく記されていた。なぜなら著者はSF作家というだけでなく、物理学の大学教授も兼ねている人物。だから専門家なので、アシモフの矛盾を訂正することができた。

 

この作品で大活躍するのが、セルダンの妻であるドース。彼女の正体はオリヴァーが派遣したロボットで、セルダンを守ることが任務。だけどセルダンは彼女を本気で愛し、ロボットだと知っていても妻として大切にしている。

 

今回はセルダンがトランター帝国の首相となるまでの物語が詳しく書かれていた。アシモフの作品ではあまり説明がなく、気がついたらセルダンは首相になっていた。このあたりの展開をセルダンの暗殺事件を交えつつ、心理歴史学理論が完成されていく過程がこの作品で描かれている。

 

ドースと旅をすることで、セルダンは理論の重要な部分を発見していく。どの惑星に行っても命を狙われているセルダン。そして常に彼を守ろうとするドース。後に迎える彼女の悲劇を知っているだけに、切なく感じつつも、もう一度ドースに会えたことがボクは嬉しかった。

 

あまりに長い作品でお腹いっぱいになったので、落ち着いたら別の作家が書いた第二弾を読むとしよう。まだドースも元気なので、次の物語を楽しみにしている。だけど次の作品も大長編なのかなぁ、覚悟しておこう。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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