英国のギャング映画最高やった
ギャングやマフィア映画といえば、『ゴッド・ファーザー』に代表されるようにアメリカが舞台となる作品がほとんど。銃社会のアメリカだから、当然ながら激しい撃ち合いになる。ところがイギリスのロンドンが舞台となったギャング映画を観た。
イギリスはアメリカと違って銃規制が厳しい。それゆえどんなギャング映画になるか少し不安だった。ところがこれが凄い。近年に観たギャング映画では最高に面白い作品だった。とにかく登場人物が惚れ惚れするほどカッコいい。
2022年 映画#188
『ジェントルメン』(原題:The Gentlemen)という2019年のイギリス・アメリカ合作映画。最初に書いたように、この写真の6人がマジで最高。特に主演のマシュー・マコノヒーが最初から最後までクールで、彼のファンなら絶対に見逃してはいけない作品だと思う。ボクは惚れ直してしまった。
比較的新しい作品だし、オススメ作品なのでネタバレは避けておく。簡単なストーリーとこの6人についてだけ触れておこう。
マシュー・マコノヒー演じるミッキーは、イギリスにおいて大麻の製造密売で稼いでいた。大麻王と呼ばれるほどの大物で、彼の名前を聞くだけで誰もがビビってしまう。そんな彼は愛妻家。それで愛する妻と残りの人生を優雅に暮らすため、大麻事業の売却を決めた。この莫大な利権を求めて起きる騒動が描かれている
といってもコメディタッチなところもあって、残酷なシーンを混ぜながらもかなり笑える。ミッキーの愛妻ぶりは凶暴な彼との対比でいい効果が出ていた。
その妻であるロザリンドを演じたミシェル・ドッカリーはハマり役だったと思う。自分でも車の修理工場を経営していて、ギャングに絡まれても肝がすわっているので動揺しない。そんな彼女に手を出せば、愛妻家のミッキーが黙っているはずはない。
この映画でもっとも素晴らしかったのはミッキーの右腕であるレイモンド。彼を演じたチャーリー・ハナムは、いつもの彼の雰囲気と少し違うキャラで、この映画を最後まで面白くさせてくれた立役者だと思う。
ミッキーの味方としては、格闘技教室のコーチがいる。彼の弟子が中国マフィアに騙されてミッキーの大麻工場を襲ってしまった。それで償いのためにミッキーの手伝いをする。とにかく強い。そのコーチをコリン・ファレルが演じていた。これまためちゃ笑える役だった。
そしてミッキーの敵として登場するのがドライ・アイという中国人マフィア。なんとこの役を演じてるのは、好青年のイメージだったヘンリー・ゴールディングなのでビックリ。もし季節がら素敵なクリスマス映画を探している人は、彼が主演した『ラスト・クリスマス』がオススメ。ボクは2度観たけれど、2度とも感動で号泣してしまった。そんな天使のような彼が、かなりヤバいマフィア役だった。映画っていいよね。
そして6人の最後が探偵のフレッチャー。あるメディアの社長がミッキーに愚弄された。その意趣返しで社長はフレッチャーを雇い、ミッキーの大麻事業とイギリス貴族の関係を暴かせた。それでミッキーを陥れるつもりだったが、欲深いフレッチャーはそれをネタにしてミッキーから大金を巻き上げようとする。
このフレッチャーを演じているのがヒュー・グラント。若いころは超二枚目だったけれど、この年齢になるとアクの強い嫌な感じのオヤジがよく似合う。あまりにハマり過ぎの役だったので、最初から最後まで笑いが止まらなかった。本人は至って真面目だけに、かえって面白い。さすがの演技だったなぁ。
ロンドンが舞台なので、激しい銃撃戦はあまりない。それでもハラハラドキドキさせる迫力は十分だった。とにかく観て損はない映画。そしてラストも気持ちがいい。あまりに面白かったから、続編を作ってくれないかなぁ。
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