マドンナはキュートでないとね
実力のある俳優のオーラは強烈で、物語の世界観を支配する。それゆえイメージが固定化してしまう。ある作品でトム・クルーズが主演した。だけど原作の主人公とはキャラがちがうということで、ドラマでは原作に沿った俳優がキャスティングされた。
その試みは大成功だったと思う。たった一回でイメージの上書きができた。ボクがそうなったのは、邦訳されている原作を全て読了したからだと思う。活字を目で追うことで、原作に沿ったイメージが潜在的に育てられる。その段階でイメージバッチリの俳優が登場したので、上書きがスムーズにいったんだろう。
引き続き、そのドラマの第2話を観た。
2022年 映画#209
『ジャック・リーチャー ~正義のアウトロー~』(原題:Reacher )シーズン1・エピソード2『初めてのダンス』という2022年のアメリカドラマ。
エピソード1の感想については、『一発でイメージの上書き完了』という記事に書いているので参照を。
たまたま訪れたマークレイブという街で殺人事件に巻き込まれたジャック。すぐに疑いは晴れたが、殺されたのが唯一の肉親だった兄のジョーだった。ということで街を去る予定を返上して、兄の仇を討つために犯人探しを決意する。そこまでが第1話だった。
独自に捜査を始めるジャック。それを気にした警部のフィンリーは女性警官のロスコーをジャックの見張りにつける。調査を進めているうちに、新しい犠牲者が出た。なんと警察署長のモリソンと妻だった。この殺し方が残忍で、モリソンは素っ裸にされて壁に磔にされていた。睾丸は切り取られて、おそらくモリソンの胃のなかにあるらしい。
この惨殺シーンが原作のタイトルである『キリング・フロアー』の元になっている。これでジョーの兄を含めて4人が殺された。街は騒然となって、町長が新しい警察署長に就任して犯人逮捕をリードすることになった。だけどジャックの推理によって、この町長を含めて町全体が黒幕によって支配されている。
結局、信用できるのはジャック、フィンリー、そしてロスコーの3人だけになった。それまでジャックの捜査に不快感を露わにしていたフィンリーも現実を認め、優秀な元憲兵であるジャックの協力を容認する。ラストシーンはロスコーの自宅が誰かに荒らされた場面で終わった。まだ黒幕は隠されている。
ボクは原作を読んでいるので、この後の展開を理解している。それだけにこのドラマが原作どおりに作られていて好感を持っている。映画ではなくドラマだからできることだろう。さて今回の見どころは女性警官のロスコー。写真の彼女がそう。
このシリーズは『男はつらいよ』の寅さんのように、ジャックが全米を放浪することで事件を解決する。そしてそれぞれの物語に寅さんのようなマドンナが必ず登場する。今回のマドンナはこのロスコー。演じているのはウィラ・フィッツジェラルドという女優さん。ドラマが主な活躍舞台らしい。
とてもキュートで、かつ強靭なイメージもある。警察官の制服を着ている時は、髪をまとめてキリッとしている。ところが今回、ジャックと二人で居酒屋に行くシーンがあった。そのときロスコーは私服に着替えて髪をほどいた。このドラマでそんなロスコーを初めて観たけれど、一気に美人度が増して目が釘付けになってしまった。
やっぱりマドンナはキュートでないとね。やむを得ない事情で二人はモーテルで夜を過ごした。だけどジャックは兄の復讐で頭がいっぱい。だからいい関係にはなっていない。魅力的な女優さんなので、犯人追及と同時に二人の関係がどうなっていくのか楽しみ。結果は知っているんだけれどね
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