心を惑わせるアイテム
昨日はついに自力で修理したiPhoneのイヤホンを諦めて、新しいイヤホンを注文した。ちょうど一粒万倍日と天赦日が重なるという、1年でわずかしかない吉日だったかからね。
そのイヤホンが今日の午前中に届き、午後からは正常な機能で音楽を楽しんでいる。やはり断線している部分があったせいか、古いイヤホンは右側の音が正常に出ていなかったみたい。それで慣れていたけれど、新しいイヤホンだとしっかり聞き取れる。右耳が難聴になったかと心配して損したわwww
これで読書中の音楽も楽しめる。年末年始の読書計画である『指輪物語』シリーズの全読破は順調。ついに第二弾となる作品を読了した。
2023年 読書#2
『ホビット ゆきてかえりし物語』J・R・R・トールキン著という小説。2012年から2014年にかけて映画化された『ホビット』シリーズの原作となる物語。映画化以前から読んでいた作品だけれど、映画で主演したビルボ役のマーティン・フリーマンの印象が強く残っていたので、久しぶりに再読したら彼の顔しか浮かんでこなかった。やはり映像のパワーは凄い。
本来は子供向けの物語として書かれている。だから『ロード・オブ・ザ・リング』の映画作品との関連で、映画では登場人物や構成がかなり変更されている。久しぶりに原作を読んで思ったのは、この作品に関しては映画のほうが完璧だということ。
それでもこの原作を読むと、ハラハラドキドキしつつ、笑い、そして最後には感動の涙を流すことになる。映画でもあったけれど、アーケン石の誘惑に負けて自分を見失ったドワーフの王であるトーリン。だけど彼は死の間際になって正常に戻り、ビルボとの友情を結び直して息を引き取る。
トールキンという作家は、このシリーズにおいて心を惑わせるアイテムを用意している。『シルマリルの物語』ではタイトルにあるようにシルマリルがそのアイテム。この宝をめぐってモルゴス、そしてエルフと人間が死闘を繰り広げた。
この『ホビット』に関してはドワーフの宝がそのアイテムであり、なかでもドワーフの王権を象徴するアーケン石の魔力によって、トーリンは心に闇を抱えてしまうことになる。そしてこの後に登場するのが、指輪という最強で最悪のアイテム。
この物語はホビットのビルボがサウロンの指輪と出会い、ホビット庄まで持って帰る物語。そしてこの後に続く『指輪物語』は、同じホビットのフロドが指輪を葬るために旅に出る。これら3つのアイテムは、常に人間やエルフの欲望に働きかけてくる。
ということでビルボ・バギンスの旅は終わった。そしていよいよフロド・バギンスの旅が始まる。全12冊のうち3冊を終了。これから9冊を読破する予定。今日の午後に少し読み始めたけれど、懐かしくて涙を必死でこらえていた。
さて、今回の作品は『新版』ということになっている。ボクが以前に所有していたのは旧版だった。この新版には付録があって、それが最高に面白かった。本来は『指輪物語』の付録として収録される予定だった。でも最終的にカットされていたらしい。
その付録は『指輪物語』のその後。サウロンが滅び、人間の新しい王であるアラゴルンの戴冠式が行われた。そして別れの旅に出たドワーフのギムリ、ホビットのフロド、サム、メアリー、ピピン、そしてガンダルフというメンバーでの会話だった。
ビルボが若いころ、なぜドワーフたちと旅に出ることになったのか? その質問にガンダルフが答えている。これは初めて読む文章だったので、オタクのボクは狂喜乱舞してしまった。そうか、そうか、そういうことだったのか。ガンダルフの未来を見る力に、ボクは本気で感動してしまった。
その裏事情を知りたい人は、ぜひともこの新版の『ホビット』を読んでほしい。まぁそこまで関心のある人だったら、とっくに読んでいるかもね。さぁ、今夜からはフロドが待っている。もちろん年老いたビルボも。これからしばらくはワクワクが止まらないだろうなぁ。
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