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高羽そらさんインタビュー

設定に凝りすぎる弊害

5月に京都文学賞に投稿するつもりで書いている小説が、かなりの長編になって話が膨らんできた。書いている自分としては面白いと思うからそうなる。ただ客観的に見ると、ちょっと設定に凝りすぎている気がしてきた。ポイントが絞りにくくなって、読んでいる人が混乱するのでは?

 

そう思ったのはある映画を観たから。作り手の立場で考えると、この作品の凝った設定はかなり面白い。ただ観客として観ていると、頭がついていかない部分があった。これは設定に凝りすぎた弊害のような気がした。

 

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2023年 映画#20

『TENET テネット』(原題:Tenet)という2020年のアメリカ映画。監督が『インセプション』や『インターステラー』でメガホンをとったクリストファー・ノーランなので期待していた。そしてその期待どおり、ボクとしてはかなり好きな設定。ただ最初に書いたように凝りすぎていて、面白みがやや減じた気がする。

 

『インターステラー』ではブラックホールを使い、『インセプション』では明晰夢がテーマになっていた。明晰夢を数えきれないほど見ているボクは、それがどのような世界なのかを説明するのに『インセプション』を推薦している。これを見れば明晰夢がどのような感覚なのか一目瞭然だから。

 

そして今回観た作品は、時間の逆行がテーマとして扱われている。比較的新しい作品なのでネタバレはやめておこう。最後のオチを知ってしまうと面白くないから。概要だけを述べておく。

 

未来人が時間を逆行できるシステムを作った。つまり結果が原因となってしまう。その装置を使って現在の世界に侵入すると、相手にはビデオの巻き戻しのように見える。銃を発砲して人を殺しても、死んだ人間から銃弾が逆行して銃へと戻ってしまう。つまり証拠がなく人を殺せる。

 

未来人のある人物が、その装置を使って第三次世界大戦を起こそうとしていた。人類を滅亡させるのが目的。具体的には明かされていないけれど、先のない世界に生きるくらいなら、いっそ過去ごと葬ってしまおうという自暴自棄的な動機らしい。

 

そこでその陰謀を阻止するため、『TENET テネット』というチームが結成される。そして現代人に接触することで、第三次世界大戦を阻止しようという物語。このタイトルを見ればわかるように、アルファベットの回文となっている。前から読んでも、後から読んでも同じ。まさにこの映画で取り上げられている時間の逆行を象徴している。

 

最初に書いたように、設定がかなり凝っている。映画の前半で使われた部分が、後半でも逆行シーンとして登場する。時間を遡ったりするので、結果と原因がもつれ合っている。とにかく映像がすごい。視点となる人物が前に進んでいるのに、周囲は時間が逆行していくシーンは迫力があった。爆弾で破壊された瓦礫が元に戻り、その後に爆風がやってくる。

 

この映画のポイントは、チームを仕切っている黒幕は誰なのか? ということ。驚くほどじゃなかったけれど、そう来たかと思わず苦笑いしてしまった。見どころは主人公を演じたジョン・デヴィッド・ワシントンと、相棒役を演じたロバート・パティンソンのからみ。

 

ロバートは『ハリーポッター』のセドリック役でも印象深いけれど、ボクとしては『トワイライト』のカレン役が好き。ハリー・ポッター繋がりで言えば、悪役を演じたケネス・プラナーはロックハート先生役だった。さらに同じくハリー・ポッターでフラーを演じたクレマンス・ポエジーも出演している。

 

おそらく何度も観れば観るほど、監督の仕掛けがより深く理解できる作品だと思う。ただ2時間半もあるので、そう簡単に何度も観る気になれないかも。もう少し設定がすっきりしていれば、テーマとしては最高の作品だと思う。

 

ということでボクの新作小説も、ちょっと設定をすっきりさせた方が良さそうだなぁwww

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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