キアヌ・リーブスの意図が不明
少し前に『ペリフェラル〜接続された未来〜』というドラマを観た。現在と未来を行き来するドラマで、なかなか面白かった。シーズン2が配信されたら観ようと思っている。そのドラマの脚本に参加しているスコット・スミスという作家がいる。
ある映画をチェックしていると、脚本を書いたのはスコット・スミスだった。それで調べてみると、ボクが敬愛するスティーブン・キングが絶賛しているホラー作家だった。そして主演はキアヌ・リーブス。彼は制作にも参加している。となれば観るしかないだろう。
2023年 映画#45
『ブルー・ダイヤモンド』(原題:Siberia)という2018年のアメリカ・カナダの合作映画。先に結論から書いておこう。何やねんこの映画は? これが正直な気持ち。前提条件からすれば期待満々だっただけに、かなりガッカリする内容だった。
キアヌ・リーブスが演じるルーカスは宝石商。といっても闇ブローカー的な匂いのする人物。相棒が最高の取引があると連絡してきた。ブルーダイヤモンドという希少で高価な宝石が取引対象。相手はロシアマフィアなので、金銭的に問題ないけれど緊張する取引だった。
アメリカからロシアのサンクトペテルブルクにやってきたルーカス。ところが相棒は失踪。見本のブルーダイヤを見せるはずだったのに、どこに隠したのかわからない。それでマフィアのボスであるヴォルコフに2日の猶予をもらってダイヤを探すことに。
ところが相棒は、精巧だけれど偽のブルーダイヤモンドを取引しようとしていた。分光器を使った専門家でないと見抜けない品質。だけど別件でそれがバレて、相棒は逃亡していた。ルーカスはなんとか見本を手に入れる。
見本が見つかったのは相棒が潜んでいるであろうシベリアへ行き、たまたま出会ったカティアという女性の助けがあったから。そこからは二人の恋愛物語のような展開に。そして見本は本物だったけれど、取引用に用意されていたのは偽物だった。ということでルーカスはヤバイことに。
どうにか誤魔化して取引したが、バレたら殺される。そのままアメリカへ逃げようとしたが、そうもいかなかった。結果としてルーカスが死ななければ、恋仲のカティアが殺されるだけでなく、アメリカにいる妻も命を奪われてしまう。つまり自分が死ぬしかないという状況。
ということでラストは一人でロシアマフィアと戦い、最終的には殺されてしまうというエンディング。とにかくひどいストーリーだった。最悪なのは主人公のルーカスのキャラ。見た目は最近のキアヌ・リーブスで、彼のファンなら無敵の『ジョン・ウィック』のイメージと重なるはず。ボクもそうだった。
だけどめちゃ弱い。居酒屋では街の男に簡単に殴り倒される。なのに風貌はジョン・ウィックだから、観ていると混乱してくる。それにカティアとの恋愛物語も描かれていて、やたら二人はエッチをしている。ポルノ映画やないんやからw
そして最終的には死ぬしかないなんて、この物語のどこにも救いがない。感情移入も共感も無理。スティーブン・キングが絶賛した作家の物語だとは思えないし、キアヌ・リーブスも出演だけでなく制作まで関わったという意図がわからない。
せめて恋人のカティアが絶世の美女だったらよかったのに。魅力的な女優さんだったけれど、陳腐なストーリーをカバーするほどの美女ではなかったかも。とにかく何とも不思議な作品だった。
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