この悲劇を大河はどう描く?
今年の大河ドラマの『どうする家康』を楽しむため、著名な小説に挑戦中。最初はドラマの時系列より遅れていたけれど、前作で追い越した。その勢いで少しでも先に進めるよう、小説を読み進めている。
今回の内容は壮絶だった。複数の悲劇が連なっているので、胸が痛くなりながら読み進めた。さて、この悲劇をドラマではどう描くのだろう? そのヒントは昨日の放送分で出されているはず。その回のドラマは明日の午後に録画を観る予定。だから今のところ、ドラマでどのような扱いになっているかは知らない。
2023年 読書#53
『徳川家康〔7〕颶風の巻』山岡荘八 著という小説。全26巻のうちようやく7巻まで読了。前回の第6巻は、徳川家の大賀弥四郎(ドラマでは大岡弥四郎)の裏切りがバレて、鋸引きの刑に処せられたところで終わった。昨日の放送ではこの弥四郎が登場しているらしい。ドラマで彼がどのような死に方をして、かつ築山殿とどのように関わってくるのかは、明日の録画を楽しみにしていよう。
小説は一歩先を行っていて、前半は有名な長篠の合戦が描かれている。織田と徳川の連合軍によって、武田信玄亡き後の武田軍が大敗をする合戦。この戦によって、武田方の著名な武将が大勢討ち死にする。嫡男の武田勝頼はどうにか逃げたものの、最終的には織田、徳川、北条に追い詰められてかつての威光は無惨に消えた。
この合戦は戦国時代の戦闘法を大きく変えたものとして知られている。武田軍のメインは騎馬兵たち。ところが3千挺以上の鉄砲で戦った織田軍に手も足も出なかった。この小説ではその戦の様子はもちろん、そこに至るまでの過程が詳細に語られていた。本の表紙で磔になっているシーンは今でも心に強く残っている。
さて問題の悲劇は全部で3つ。
一つは築山殿が徳川家の家臣に殺されたこと。信長の怒りを買ったことで、嫡男の信康は切腹、築山殿は殺すようにと命令が出た。小説の家康はそれをどうにか避けようと努力する。築山殿に関しては浜松に呼び寄せて、乱心したことで幽閉するつもりだった。
ところが岡崎から浜松へ移送する時、信康を助けたいと思う家臣たちによって、築山殿は自害に見せかけて殺されてしまう。この悲劇をドラマはどうするか?
次の悲劇は信康の切腹。母の死を知り、彼も覚悟を決める。信康に関しても、家康は必死で逃がそうとした。ところが彼はかえって徳川家に迷惑をかけると思い自害を決める。信長の命令ではなく、家康の判断によって処分したという実績が必要だったから。ドラマでも前半の注目点になるところ。
そして最後は武田勝頼の自害。勝頼は織田と徳川の連合軍に囲まれただけではなく、家臣たちからも見離されてしまう。この第7巻は勝頼の自害のシーンで終わる。小説ではまだ19歳だった勝頼の正室が死を覚悟するまでの過程が切ない。だけど彼女は夫の勝頼よりも潔かった。このあたりもドラマでどのように描かれるか興味がある。
とにかく明日の録画を観るのが楽しみ。そのうちドラマに追い越されてしまうだろうけれど、できるだけ読み進めていきたい。小説では本能寺の変が近づいてきたからソワソワしている。
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