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高羽そらさんインタビュー

差別を差別と感じない怖さ

人類の長い歴史を顧みれば、少しずつだけれど不当な差別が解消されつつある。例えば女性の参政権が認められていなかった時代は、それほど昔のことじゃない。それでも先進国においてはそうした差別が排除されている。だからと言って、現代社会から差別が消えたわけじゃない。

 

性的な差別だけでなく、出自による差別も残っている。インドではカーストの影響が今でもあるそう。なかでも最悪な差別が人種を理由としたもの。人種差別がひどいのは、見た目だけで判断されるから。人間性など無視されて、肌の色だけで差別の対象となってしまう。

 

こうした差別をなくしていくためには、その事実を可視化していくことが肝心。差別が起きていることを社会に明示することで、それらをなくしていこうという動きになる。ところが厄介なことに、差別を受けている人がそう感じないということが起きているらしい。ある記事を読んで慄然とした。

 

「有色人種は差別に慣れすぎて店のサービスが悪くても気づきにくい」という研究結果が報告される

 

リンク先の記事は、アメリカのユタ州立大学の研究チームが実施した研究をまとめたもの。研究のテーマは、顧客が自分の受けたサービスを客観的に認識できているかどうか。

 

9人の極秘調査員が選ばれた。白人3人、黒人3人、ヒスパニック系3人。全て男性で、身長、体重、教育レベルも同じ。この9人に69箇所の銀行で同じプロファイルに基づいて融資を依頼してもらった。

 

シャツに小型カメラが仕込まれていて、銀行員の対応はこっそりと記録されている。この調査は州の司法長官事務所から承認を受けたとのこと。それでその9人に銀行の対応に関する満足度をアンケートした。

 

そのアンケートをまとめると、9人の答えはほぼ同じ満足度という結果だった。ところが動画を綿密に検証すると、黒人やヒスパニック系の調査員は明らかな差別を受けていた。白人男性に比べて面会時間が短く、面会までに待たされる時間が長かったそう。その他にも差別的な対応があった。

 

ここからわかることは恐ろしい。黒人やヒスパニック系の人たちは、そうした行為を差別だと感じていないということ。生まれ育った頃からそうした扱いを受けてきたことで、それが普通になってしまっている。客観的に見れば明らかな差別であっても、そう感じていないということ。

 

差別が可視化されることによって、それをなくしていこうという動きになる。だけど差別を受けている人にその認識がないと、差別そのものが存在しないことになってしまう。

 

人間が生きていくためには適応力は必要。だけど理不尽なことに対して慣れてしまうというのは、あまりにも悲しすぎる。そうせざるを得ない社会であることに、どこにもぶつけようのない憤りを感じてしまう。

 

不当な行為を受けた人に諦念を抱かせる現代の社会構造は、古代の人間と根本的に変わっていないように思う。いろいろと考えてしまう記事だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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