現れて消えていく街の物語
今日の神戸も暑い。真夏のように湿度が高くないので、部屋にいる分には比較的過ごしやすい。それでも最高気温は28度近いので、外で過ごすなら熱中症の警戒が必要な暑さだと思う。なんでも福島県では35度を超えたらしい。
梅雨が明けたような空気感なんだけれど、まだ梅雨入りさえしていないんだからなぁ。明日も暑くなりそうなので、外出時には熱中症に注意しなくては。我が家のミューナはこれが適温なのか、朝から爆睡している。さすが猫やねぇwww
さて、とてつもないスケールのでかい小説を読んだ。
2024年 読書#52
『地図と拳』小川哲 著という小説。第168回直木賞受賞作。比較的新しい小説なのでネタバレはしない、というより、あまりにスケールがデカ過ぎてブログでストーリーに触れるのは難しい。そのうえ登場人物が多く、時間経過も半世紀ほどの出来事が描かれている。実際に読んでもらうしかない。単行本で600ページ以上あるので、ボクも読了するのに5日ほどかかった。
物語は日清戦争の直後から始まる。日清戦争で日本は満州の領有権を手に入れた。でも当時の満州に触手を伸ばしていたのはロシア。そこから日露戦争へと突入して、日本はどうにか勝利。その結果として満州国を興すことで、中国政府との戦争になってしまう。
そしてアメリカとの大東亜戦争も勃発して、やがて日本は負けてしまう。革命でロシアから名前を変えたソ連は、不可侵条約を無視して満州を制覇。日本人たちは命からがら本土へ逃げ帰るか、兵士たちはソ連に捕まってシベリアに抑留されてしまう。そして満州という地域は跡形なもく消えてしまった。
物語の主要人物はもちろんいる。最初から最後まで関わってくるのは細川という人物。けれども本当の意味での主人公は満州という地域そのものだろう。この街が何もない農村地から満州国の首都となり、やがて消えて行く様子が克明に描かれている。
この物語は学校の日本史ではあまり詳しく教えてもらえない時代が描かれている。それゆえ支那事変から大東亜戦争に突入していった日本の空気感がリアルに感じられる大作だった。歴史に興味がない人には退屈かもしれない。でもボクのような日本史オタクには、恐怖を覚えつつも夢中になってしまう作品だった。
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