欧州では電子IDが当たり前
2015年に本格導入されたマイナンバーカードは、世界的な標準からすればヨチヨチ歩きの幼児というレベル。Androidスマホではマイナバーカードを登録できるけれど、iPhoneはいまだに登録不可。今月にリリースされたiOS18.4で登録できるという噂はあったものの、結局は先延ばしにされている。
でもスマートフォンに登録したからといって、物理カードが必要ないというわけじゃない。医療機関はようやくマイナンバーカードのリーダーが普及し始めたところで、モバイル対応となるのは先のこと。だから日本では身分証明として物理カードが手放せない。
ところがヨーロッパでは日本よりはるかに進んでいる。スマートフォン等の端末に登録した電子IDが当たり前となっていて、適用するアプリの機能もマジですごい。ポーランドの現状を知って驚いてしまった。
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EUでは加盟国に対して、2026年までに最低1つの電子IDアプリを自国民、居住者、企業に提供するように義務化しているとのこと。それゆえ加盟国でアプリの開発が進み、自国のアプリを他国に売り込もうと躍起になっているらしい。リンク先の記事ではポーランドの電子IDアプリが紹介されていて、日本がどれだけ遅れをとっているか痛感した。記事から抜粋してみよう。
『アプリ内に保存できる身分証明書は、日本のマイナンバーカードのようなものから運転免許証や学生証、弁護士免許、医師・看護免許など多岐にわたっており、現時点では19の身分証明書で利用できます。行政サービスは現在21個が利用可能で、洪水注意報やサイバー犯罪の注意報を受け取ったり、処方箋や次の選挙の投票場所・日時を確認することが可能です』
これだけでも日本人からすれば唖然となってしまう。日本のマイナンバーカードは健康保険証と運転免許証がようやく統合されたばかり。それさえ物理カードがないと困ってしまう状況。ポーランドの電子IDアプリは、さらに以下のような新機能を2030年までに200ほど増やす予定らしい。
・障がい者や教師資格などのID
・IDやパスポートなどの申請状況の照会
・個人事業主格の設立
・政府と協定を結んだ市区町村が発行するID
・チャットbot
・電子決済サービス
すでにEU内では他国でも自国の電子IDで年齢確認等が可能になっている。日本と世界のデジタル技術の格差が想像以上に乖離しているのを実感している。それはそもそもの歴史が違うから。
ポーランドで日本のマイナンバーと同様のシステムが導入されたのは1979年。だから国民に抵抗感がないので、デジタル機器の進化に伴ってアプリが浸透してきた。ポーランドは国民の4分の1がこのアプリを普段から利用しているそう。
日本では電子IDの歴史が浅いので仕方ないけれど、現状のままでは日本という国そのものがガラパゴス化してしまうだろう。まずはスマートフォンで可能なことをできる限り増やしてほしい。スマートフォンで電子IDを使うことの恩恵を大幅に増やしていくしかないと思うなぁ。
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