映画より壮絶なアパルトヘイト
昨日の夜から未明に降った雨のおかげで、今日は涼しくて過ごしやすい1日だった。最高気温はボクの大好きな22.2度(ニャン、ニャン、ニャン)なので、ミューナがそばにいてくれるような気がする。
昨日は昨年の11月に亡くなったミューナの月命日。早いもので彼が旅立って5ヶ月が経った。ミューナのいない生活に慣れつつあるけれど、やはり無性に寂しくなることもある。それでも亡くなった直後のように彼の姿を追い求めることがなくなり、ミューナのエネルギー体との穏やかな共同生活が成立しつつある。
今のマンションはまだミューナの痕跡があちこちに残っている。フローリングの爪跡や、剥がれた壁紙や、少し歪んだ洗濯物干し等。だから今のマンションにいると思い出すことが多いけれど、引っ越せばはそんなミューナの痕跡もやがて思い出となっていくんだろう。
さて、映画がきっかけである本を読んでいる。アパルトヘイトについて書かれたものだけれど、映画よりも壮絶な実話に言葉を失っている。
2025年 読書#41
『自由への長い道──ネルソン・マンデラ自伝』上巻 ネルソン・マンデラ著という本。この自伝を映画化したのが『マンデラ 自由への長い道』という作品で、マンデラをイドリス・エルバが好演していた。
映画を観て感動したのと、アパルトヘイトについてもっと知りたくてこの自伝を読むことにした。27年間も刑務所に収監されていたマンデラ氏。映画でもその苦悩を実感したけれど、映画の世界は事実に比べると穏やかな描かれていることがよくわかった。要するに実際の人種差別は映画よりもはるかにひどい。
マンデラ氏はANCという組織に所属していた。アフリカ人だけではなく、南アフリカで暮らすインド人等を含めた被差別対象となる人たちと手を組んで、当時の国民党政府が強行していたアパルトヘイトに抗議する組織。
映画ではわからなかったけれど、南アフリカにはそれ以外の組織も活動していた。アフリカ人以外の政治を認めないPACという組織はかなり過激で、暴力による革命を意図していた。そのPACの讒言と流言により、マンデラ氏たちの組織が世界から誤解を受けていたこともある。
差別している側の白人も一枚岩ではなく、祖先をアフリカにもつ白人と、過去に植民地化を進めてきたイギリス人たちには強い確執があった。映画ではこのような細かい事情まで描かれていないので、この本を読んでようやく当時の南アフリカの複雑な状況を知ることができた。
映画では理解できなかったマンデラ氏率いるANCによる武力抗議。人命を狙ったものではなく、インフラ等を攻撃するもの。それまでインドのガンジーの非暴力的な行動を取っていたのに、突然に方針を変更している。結局はその武力抗議によってマンデラ氏等は終身刑を受けることになるんだけれど。でもこの自伝を読むことで、そこに至る過程を理解することができた。
この上巻ではマンデラ氏が生まれてから弁護士を志し、その後の政治活動へと邁進していく姿が描かれている。暴力的な抗議行動が始まったばかりで、一度起訴された反逆罪の裁判では無罪を勝ち取っている。
下巻ではついに逮捕されて27年間という刑務所生活、そしてその後に大統領になるまでの出来事が詳細に語られているのだろう。早速手配して、じっくりと読んでみようと思う。
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