地球最後の男
今日は朝から最高に気持ちのいい天気。ずっと晴れていたし、空気は乾燥して洗濯物もよく乾いた。もう冬の毛布は必要ないので、朝から思い切って洗濯した。その毛布もほぼ午前中には乾いたほど。1年を通じてこんな天気ばかりだったら快適なのにね。
さて、昨日のブログで吸血鬼の映画を紹介した。ボクは不思議なところがあって、意図せずに同じテーマの作品に接することが多い。昨日読み終えた小説は、映画と同じく吸血鬼をテーマにした作品だった。
2025年 読書#42
『地球最後の男』リチャード・マシスン著という小説。ウィル・スミスが主演した『アイ・アム・レジェンド』という2007年に公開された映画を観たことがある人なら、この著者の名前を見聞きしているかも。この小説はその作品を含めて2度も映画化されていて、その度に小説の邦題も変更されている。
ボクは2007年の映画は観ているけれど、その前に映画化された1971年の作品は知らない。ちなみにその映画のタイトルは『地球最後の男オメガマン』というかなり変わったタイトル。『アイ・アム・レジェンド』の方がいいよね。
ただ映画はそれぞれに内容を変更されていて、原作とはかなり異なる。ボクは初めて原作を読んだけれど、はっきり言って映画より原作の方がずっと面白かった。というのは『地球最後の男』であるロバートのキャラは、原作ではかなり興味深い人物だったから。
物語の舞台は1976年のアメリカ。街は吸血鬼に支配されていて、人間として登場するのはロバートだけ。夜は吸血鬼が自宅に押しかけてくるので、完全防備をしてひたすら耐えている。そして昼間に食料品を確保したり、家の修理をしたりする。吸血鬼は昼間には出てこないから。
ロバートの自宅は発電機で電力を確保している。だから食料品も冷凍保存できる。人間は死んだか吸血鬼になっているので、腐っていないものなら食べ物には困らない。自宅も防音装置を施すことで、夜も快適に過ごせるようになった。
妻も子供も吸血鬼になってしまったロバート。孤独な彼の昼間の仕事は、眠っている吸血鬼を見つけて殺していくこと。基本的に心臓に杭を打つという方法を使っている。でもロバートがすごいのは、吸血鬼について徹底して研究したこと。
なぜ杭を打つと死ぬのか? なぜニンニクを嫌うのか? 十字架を怖がるのはなぜか? そしてなぜ噛まれると吸血鬼になってしまうのか? そうした疑問を図書館の資料で勉強して解決していく。これがなかなか面白い。最終的にはウイルスが原因だと突き止めた。
十字架を怖がる吸血鬼は、生前にキリスト教徒であることが前提だとわかった。だからユダヤ教の信者だった吸血鬼には、十字架よりもユダヤ教の律法書を見せると効果があった。こうしたアプローチもなかなか面白い。
結末はハッピーエンドではない。古い物語だけれど、もし読んでみようと思う人がいたら悪いのでネタバレはしない。SF、ホラー、そしてゾンビが好きな人なら楽しめる作品だと思う。
ちなみに著者のリチャード・マシスンは多才な人物で、小説だけでなく数多くの映画の原作や脚本を書いている。スピルバーグのデビュー作である『激突』の原作と脚本は彼が書いた。
ボクの大好きな映画でロビン・ウィリアムズが主演した『奇跡の輝き』という映画の原作も著者の作品。亡くなった妻をあの世まで探しにいく物語で、原作が気になっていたので読んでみようと思っている。
『ある日どこかで』というクリストファー・リーブが主演したタイムトラベルの映画も著者の原作。これも好きな映画なので、原作を読んでみようと思う。この著者の作品にハマってしまいそうな予感がしている。
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