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高羽そらさんインタビュー

穏やかに逝くための看取り

昨年の11月に旅立った愛猫のミューナを看取る時、本当にそれでいいのか葛藤したことがある。それは看取りの方法。

 

腎臓病を発症して4年が経過したミューナ。彼の食欲が落ちてボクと妻が覚悟した時に二人で決めたことがある。人間で言えば90歳という高齢猫。病気があるとはいえ老衰も影響している。

 

もし通院している獣医さんに行けば、点滴等で延命できるかもしれない。でもタクシーで通院するミューナのストレスを考えると、そのまま自宅で看取るほうが彼の尊厳を守ることになるのではと考えた。

 

通院を断念してやったことは、基本的に「何もしない」という看取り方。食欲は完全になかったので、もし口にできそうなものがあればなんでも与えてみた。彼が最後に口にしたのは大好きな鰹節と鮭フレーク。やがてそれさえ口にしなくなった段階で、強制給餌のようなことはしないと決めた。

 

水に関しても時間を計算して、定期的に飲ませるようにしていた。でもあくまでもミューナの意思が優先で、亡くなる少し前には明らかに水を拒否する態度を見せた。だから水をあげることもやめて、亡くなる当日にスポイドで口を湿らせてあげたのが最後。それが末期の水となった。

 

ただ猫は言葉が話せない。色々情報を調べてそうするべきだと思ったものの、心の中ではやはり葛藤があった。空腹で辛くないのか? 喉が渇いて苦しくないのか? ボクたち夫婦の決定が、もしかしてミューナを苦しめているのでは? 本当に何もしなくていいのか?

 

でもある記事を読んで、ボクたちの看取り方が間違っていなかったことを確認できた。

 

最期が近くなった高齢者には「何もしない」ほうがいい…家族を「おだやかに逝かせる」ためにすべき決断【認知症】

 

リンク先の記事は人間の看取りについて書かれたもの。でも動物としての機能は人間も猫も基本的に同じだろう。最期が近くなった高齢者を看取るには、基本的に「何もしない」のベストだとのこと。

 

死期を迎えて食欲が消滅するのは、旅立つ際に肉体に負担をかけないから。身体の生理機能を落とすことで、よりスムーズに死を迎えることができる。食欲がないわけだから、食べなくても空腹を感じることはないそう。

 

ただ気になるのは喉の渇き。水を飲めなくなっても、喉の渇きを想像するだけで辛そうに思う。でも実は水が飲めなくなるのも死を迎えるための準備とのこと。リンク先の記事から抜粋してみよう。

 

『ところが、ヒトって脱水状態が続くと、脳内にモルヒネ様物質が分泌されるそうなんです。モルヒネって、終末期のがん患者さんの痛みを緩和するために処方されるやつですね。脱水状態が続くと、これに似た物質が脳内で分泌されて、フワフワとした幸せな気持ちになるといわれています。だから、健康な人が思うほど、苦しくないみたいなんですね』

 

でも強制的に点滴して水分を補給すると、その気持ちい状態から戻ってきて苦痛を感じるようになるそう。さらに余分な水が肺に溜まり、常に溺れているような苦痛を覚えるとのこと。これは猫の点滴でも警告されていることで、必要量を超えると肺水腫を起こす。

 

ところがこの段階で病院へ連れていくと、どうしても治療をされてしまう。点滴をされ、身体に栄養を強制的に注入される。それは穏やかな死とはほど遠い状態で、苦しみながら最期を迎えることになってしまうそう。

 

だからいよいよとなったら、病院に連れて行くのは悪手だということらしい。この記事を読んで、ミューナの看取りに関してボクたち夫婦が取った行動は、おおむね正解だったと確信できた。辛いのは辛かっただろうけれど、ミューナは少しでも穏やかに逝ってくれたと思う。亡くなる瞬間の様子を見ていたから、そのことを確認できた記事だった。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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