インスリンをコントロールして体脂肪を減らす! Part 1
食べ物を食べると、それは胃や腸で消化されて、栄養素が血液中に流れ出ていきます。そして血液中の栄養素はカラダのいろいろな細胞に運び込まれていきます。
このとき「栄養素を運び込む」役割を担うのが、「インスリン」というホルモンです。
インスリンが筋肉細胞に働けば、栄養素は筋肉に運び込まれて行きますし、脂肪細胞に働けば、栄養素は体脂肪として溜め込まれてしまうわけです。
ですからインスリンが脂肪細胞よりも筋肉細胞に優先的に働くようにしてやれば、たくさん食べてしまっても、体脂肪は増えにくくなるということ。
なおインスリンの出る量を減らしてやっても、体脂肪は増えにくくなります。「ゆっくり消化吸収されるもののほうが体脂肪は付きにくい」と前に書きましたが、ゆっくり消化吸収されるものは、インスリンを出す量が少なくなるのです。逆に早く消化吸収されてしまうものは、インスリンを大量に出してしまいます。しかしその場合も、インスリンが筋肉に優先的に働いてさえすれば、体脂肪が増える心配は少なくなります。
では、どうすればインスリンが筋肉細胞に優先的に働くようになるのでしょうか。通常だったらもともとインスリンは「筋肉→肝臓→脂肪細胞」の順番で働くようになっているのですが、インスリンの働きが悪い人は、この順番が崩れてしまうことがあります。
実は筋肉に上手くインスリンが働いてくれないと、ダブついたインスリンが脂肪を溜め込む方向に作用してしまうことがあるのです。ですからインスリンの働きを正常にし、筋肉に働くようにしてやらなければなりません。ちなみにインスリンの働きが悪い状態が長続きすると、糖尿病になってしまう危険性も高くなってしまいます。
なお、体脂肪が多い人ほど、インスリンの働きが悪くなっていることが分かっています。つまり、体脂肪が増える→インスリンの働きが悪くなる→ますます体脂肪が増える、という悪循環に陥ってしまうのです。
では、インスリンが正常に働くためにどうすれば良いのか。
ここでも大事なのは「運動」です。運動して筋肉を動かすことにより、血液循環が良くなったり、酵素が活発に働くようになったり、また筋肉が収縮する物理的な刺激そのものによって、インスリンが働きやすくなるのです。
特に運動した直後はこの作用が強くなっていますので、ドカ食いしたいときなどは、運動した直後に食べるようにしましょう。そうすれば、食べたものが体脂肪になるのではなく、筋肉の中に運び込まれるようになります。この場合、できるだけ運動が終わってから2時間以内に食べ終わるようにしたいところです。なおこの場合、有酸素運動でもウェイトトレーニングでも、どちらも同じように効果を期待できます。
また運動して筋肉が増えてくると、それだけでインスリンが筋肉に働きやすくなります。つまり筋肉が多くなれば、運動していないときであっても、栄養素が体脂肪ではなく筋肉で使われやすくなっているため、太りにくい体質になってくれるということです。この意味でも、ウェイトトレーニングで筋肉を増やしてやるような運動は大事になってくるわけです。
他に、食事やサプリメントによってもインスリンの働きを正常にしてやることができます。