BFRトレーニングはミトコンドリアを増加させるか?
少し前にBFRトレーニングがVo2maxを増加させるという記事を書いた。
BFRがVo2maxを増加させる?
http://www.berserker.jp/column/show/166
この研究によればVo2maxの増加は血管新生によるものが大きく、それに伴う酸素供給能力の向上の結果とされている。ただし同時にPGC-1αやeNOSのmRNA増加も認められている。(※1)
PGC-1αの働きとしては脂肪酸の酸化とともにGLUT4の増加やミトコンドリアの合成を促進することが知られている。つまりBFRによってインスリン抵抗性が改善し、ミトコンドリアの増加が起こることが示唆される。
低酸素の状態だと酸素を有効に利用しようとするため、PGC-1αが増加し、ミトコンドリアを増やそうとするのであろうか。ここにはNOの増加も関与していると思われる。
(※2、※3)
ただしPGC-1αの経路はHIF-1の経路とは独立しているものと思われる。(※4)
なお低酸素状態でウェイトトレーニングを行うことで普通のトレーニングよりも筋持久力が顕著に高まり、トレーニングのボリュームを増加させることができている。特に血管を増やすVEGFの8週間後における増加は顕著である。(※5)
※1:
Acute and chronic effect of sprint interval training combined with post-exercise blood flow restriction in trained individuals.
Exp Physiol. 2015 Sep 22. doi: 10.1113/EP085293
※2:
HIF-independent regulation of VEGF and angiogenesis by the transcriptional coactivator PGC-1α.
Nature. 2008; 451: 1008–1012.
※3:
Transient hypoxia stimulates mitochondrial biogenesis in brain subcortex by a neuronal nitric oxide synthase-dependent mechanism.
J Neurosci. 2008; 28: 2015–2024.
※4:
HIF-independent regulation of VEGF and angiogenesis by the transcriptional coactivator PGC-1α.
Nature. 2008; 451: 1008–1012.
※5:
Effects of systemic hypoxia on human muscular adaptations to resistance exercise training.
Physiol Rep. 2014 Jun 6;2(6). pii: e12033. doi: 10.14814/phy2.12033. Print 2014 Jun 1.
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