■『ママと同じ仕事がしたい!』言葉は微笑ましくも、複雑?
「私には兄と弟がいるのですが、分野は違えど同じ研究職なので非常に兄弟仲がよく、実家で顔を合わせれば仕事の話がつきません。そんな私をみてか小学生の息子の夢も「研究者」。親としては子どもが自分の職業にあこがれ、目指してくれるのはうれしいはずなんですが…」
息子さんの素晴らしい夢、Kさんはなぜ素直に喜べないのでしょうか?
■「研究者」=不安定要素まんさいの職業
「研究者ってイメージほどいい面ばかりじゃないんです。むしろ、たくさん勉強していい学校にはいらなければいけないため親の学費負担は相当なものですし、高学歴を身につけたからといって職にありつける保証はなく、限られたポストにありつけるのは幸運な人たちだけです。」
「才能も経験も意味がありませんし、任期つきのポストが多いので安定した職とはいえません。特に女性の場合、出産や育児は確実に職を失いかねないハンデになるんです。幸い、出産時期に任期をおえた私は運よく1年後に別のポストを与えてもらうことができましたが、職場の女性はみな独身か子どもなし。理系女子などもてはやされていますが、正直現実はかなり大変です。」
どの仕事も実際のところはほかの職業と同じように不安定要素をたくさん含んでいるもの。母としては苦労させたくないという気持ちも先立つかもしれませんが、大人になるにつれ、多少現実にも触れる機会も出てくると思いますし、それでも研究の道へと突き進みたいというガッツがあれば進む価値はきっとあると思います。
むしろまだ今のうちは「母と同じ職業にあこがれている」=「日々のTさんの姿が息子さんにとって何より輝いているからなんだ」と素直に喜びつつ、成長を見守りたいものですね。
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