―…今回で6回目を向かえるIGCカップですが、前回と比べて何か変化はありましたか。

池谷幸雄（以下:池谷）　今年は新体操のクラスがなくなりました。しかし、有りがたいことに、体操クラスの生徒は去年より増えていて、全体的には生徒の数は減っていませんね。

2年後にロンドンオリンピックが迫っていますが、オリンピックへの出場が期待される選手はいるのでしょうか。

池谷　村上茉愛（むらかみまい）が有力ですが、全日本選手権に残っている田口恵名（たぐちえな）も有力ですね。いまは村上と田口の成績には差があるのですが、まだまだこれからの2年間、どうなるか分かりませんね。

これからに期待がかかっているということですね。

池谷　そうですね、今年来年が勝負ですね。来年の成績が次の年のオリンピック予選に関わってきますから、今年ももう前半が過ぎてて、来年も一年ない間に結果を出さなくてはならないので、あっという間なんですよね。それを見越してある程度指導していかなくてはならないのでゆっくりはしていられないですね。

そういったオリンピックに出場されるような選手がIGCでは育っているのですが、IGCの教育方針や設備などに秘密があるのでしょうか。

池谷　教育方針としては、強いからと言って何をしてもいいというわけではなく、まずきちんとした人間であった上でスポーツマンであることで初めて、良い選手になれますので、人間としての基本である挨拶、返事に始まり、敬語で話ができるとか態度であるとかがちゃんとできるまで、うちは選手として認めていません。それはどのクラスでも同じですが、上級のジムナストクラスに近づくとより厳しくなりますね。まず、人間としての基盤をつくり、そこから体操選手に育てていきます。設備に関しては、もう5年前になりますが、池谷幸雄体操倶楽部の体育館を小平市に建てた事によって、ものすごく充実した練習ができるようになりましたから、選手のレベルに合わせた器具の導入など順次行い、環境は充実してきています。いくらレベルが上がってきても器具がちゃんとしていないと、ある程度以上の練習は出来ませんし、けがをする可能性が高くなります。うちの生徒はそういう高いレベルに到達してきているので、さらに上を目指すために体育館を苦労して建てた甲斐がありました。