あなたの回りにもいませんか？ 周囲のことには何も気づかず、むしろ全てが「自分には関係がないこと」で、自分さえ良ければ良いという困った人。ただの知人や他人なら、「あの人は困った人だな」で笑って済ませるのですが。それが、実の姉であり、子どもを持つ母親なら、あなたは笑っていられますか？■相手の気持ちを理解できない残念な姉
「小さい時から姉にかばってもらったという記憶はありません」と言うのは30代後半で独身のTさん。Tさんのお姉さんは、10歳と8歳の二人の子どもを持つ専業主婦です。
「姉は短大を卒業後、父の紹介で就職。その職場でお義兄さんと知り合いました。就職してわずか2年で寿退社。専業主婦になったのです」
「夫婦げんかなどは全くなかったようです。でも姉は子どもがいない時からしょっちゅう実家に帰ってきていました。横になってテレビをみて、母が作った料理を食べて。そして片付けもせず帰っていました」
「紹介した職場を勝手に退職されてから、父は姉に何か感じていたようです。私も、ひょっとして姉は困った人なのではないかと思い始めていたんです」
■困っているのは私ではなくアナタ
「上の子が小学校に上がる時、お義兄さんは姉に内緒で仕事を辞めました。それから1年もの間、無職であることを姉に隠していたのです」
「実は、姉たちはお義兄さんのお母さんと一緒に暮らしているんです。そのお母さんの持ち家で、家賃も生活費も払わず。老後の面倒をみる代わり、なんて言っていました。そして姉宅のお金の管理は全てお義兄さん。生活費として渡されたお金は同居のお母さんから出ていたようです」
「お義兄さんは最初、再就職先がすぐに見つかると思っていたようで。それなのに全然見つからず、心苦しくて姉に打ち明けたんでしょうね」
「お義兄さんが言わなければ、姉はいつまでも気づかなかったと思います。そんな状態に気づかない自分を責めもせず、笑っていましたから。『びっくりでしょー』って。それから1年近くお義兄さんの職は決まりませんでした。その間、姉が生活費を稼ごうということは一度もありませんでした」
Tさんのお姉さんが困る時はやってくるのでしょうか。いつまでも親が元気でいることはありません。お義兄さんのお母さんからの援助も永遠には続かないでしょう。Tさんはお姉さんに、そんな話を何度もしているそうです。ただ、お姉さんは想像できないようで。親の苦労をみていない子どもたちは、他人を助ける人に育ってくれるのか。それがTさんの一番の心配事です。
（ライタープロフィール）
クニヒロマリコ／映像の世界から文章の世界へ。『ぬか漬け』と『音楽』が大好物。毎年ぬか床に挑戦するもいまだに年を越したことがなく、家庭菜園にも楽しく挑戦中。夜な夜な「酒と夫と音楽と犬」をエンジョイする懲りないチャレンジ兼業主婦。
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