今まで何人ものスタッフさんと出会い、
その数だけファッションについて、アドバイスを貰ってきた。
いったいどれだけの言葉が役立っているのだろうか。
「このシャツ、ストレッチがきいてるんですよ」
服屋の店員さんはやたらと「ストレッチがきいている」
点を推してくる。
ハッキリ言って聞き飽きた。
自分で服を買うようになったのはいつ頃からだろうか。
アルバイトを始めたことで、好きな買い物ができるようになった高校生頃だったと思う。
・ある女性店員の言葉
高校生になって、アレコレと服に手を出し始めた頃の僕に、
ある女性店員がこんなアドバイスをしてくれた。
「あなたは緑色の服だけは着ちゃダメよ。殺されるわ。あなたの顔が殺される、緑に」
何かの勧誘かと思うほどにグリーンを選ぶなと言ってくる。
戸惑う僕に
「なんなら、この緑のシャツ、着てご覧なさい。絶対に似合わないから」
試しに着てみると、なるほど確かに似合わない。
顔が死んでいるほどではないと思ったが、
妙にその言葉は印象に残った。
・それから
彼女の服屋はその後、閉店。
仕方ないので、いくつもの服屋を巡り、
色々な店員からあらゆるアドバイスを受けた。
セールストークにすぎないものがほとんどだったと思う。
ほとんどの言葉が印象に残っていないのだ。
【服屋でよく言われるコメント】
・「ストレッチがきいてますよ!」
流行り廃りの激しいファッション界で根強く残るアピールポイント。
きれいめメンズ服屋でよく耳にします。
・「もう在庫残っているものだけですね、そのシャツは」
迷っている客の背中を押す定番コメント。
在庫がなくなったらもうお終いです、という意味。
当たり前のことを言っているにすぎない。
・「これはタレントの〇〇さんやエグ◯◯◯のメンバーさんもお気に入りの……」
萎える言葉。誰が着て何を言ったとか関係ない。
俺は大田だ!
店員さんには色々なことを言われ、
感謝していることもあれば、イヤな思いをさせられたことも多いのがこのジャンルの接客。
しかし、それらの経験があって、今の僕がいる。
エグいほど無難な格好で年中過ごすようになった僕がね。
いっつも白シャツに黒のスラックス。
誰にも文句を言わせない普通っぽさ。
アプリ『カラフル電卓』を使っていて思った。
こいつの方が僕よりオシャレかもしれない――。
好みの色にチェンジ!