タイ出発
12年間の現役生活の節目として、私を支え続けてくれた家族とこれからタイ旅行に行って来ます。
現役中はキャンプなどで何度もタイには訪れましたが、今回家族旅行でタイを選んだのには理由があります。
私の子供は長男が3才、次男が1才になります。長男は達者におしゃべりもします。
一緒に外出して何か欲しいものがあると、私のポケットに手を突っ込み「父ちゃんお金」と言ってきます。お金を払えば欲しいものが買えるという事を良く理解しています。
そこで私は長男に意地悪な質問をします。「じゃあこのお金はどこからくるの？」
長男はこれについてはまだ理解しておらず、答える事が出来ません。
恐らく食卓に並ぶご飯やおかずも、スーパーでお金を払って買うものだと思っているでしょう。ご飯を食べるためにも、物を買うためにも、お金はとても大切です。
私は先月の引退セレモニーに、初めて家族を招待し観戦させました。私の試合だけでなく、全ての選手の試合や、私がセコンドについている姿も見ていたことでしょう。
「父ちゃんや他の選手達もこんなに血まみれになりながらも必死に戦い、その報酬としてファイトマネーをいただいている」その現場を見てもらいたかった。
そしてそのお金で美味しいご飯や欲しいものが手に入るのですから。
ただ、3才の子供にそんな事を理解させるのは無謀なことでしょう。
でも子供達がこの事を今直ぐに理解しなくてもいいんです。この情景が記憶としてどこかに残っていればいいんです。
タイには長男と同い年位の子供達が物乞いをしたり、道路脇で物を売って働いています。
日本で何不自由ない生活をしている私の子供達の目には、この光景がどう映るのでしょう？
このことも今直ぐに理解しなくてもいいんです。ただ、いつの日か自分の事のように考えられる日が来るまで、心の中に刻んでおいて欲しいんです。
子供達が将来何をしようとも、いくつになろうとも純粋で優しい心を持ち続けて欲しい、そう願うばかりです。
自分で稼いだお金は好きなように好きなだけ使えばいい。
でもその価値観だけは失わないでいてほしい。
親心からそう思います。iPhoneから送信
