舞台の穴
舞台袖っていうのは、
ご存知のとおり、
お客様から見えない舞台裏なわけです。
ブタイソデ、ブタイウラ
この、出演者とスタッフしか踏み込めないロマン。
バカバッカでの印象的な舞台の穴。
小さい頃、後楽園ゆうえんちに行くと
必ずヒーローショーを観ていた。
けっこうな回数で行っていた。
今は、ラクーアになっているが
昔は、野外シアターってのがあの場所にあった。
すんごく魅力的なヒーローショー。
高いところからのアクロバット。
舞台に開いた穴にヒュー…。
落ちていく。
飛び出してくる。
ガキの俺にはすんごく魅力的。
もちろん、大人になった今も。
客席では、
“あの奥で戦いが続いているのか?”
そんな思いを踊らせる。
実際は狭く、素早い移動をしなければならない。
そしてほとんどが暗い。
あの、“穴”
作り手、演者はなんの意識もせずにこなしているが、
あの舞台の穴や幕の向こうには、ワクワク感やら恐怖やらが待っている。
何が出てくるかわからない興味。
だからこそ、お客様ステージにあげる演出なんてものがたまにあるけども、
それも、どこか
“入っては行けないところ”
そんな場所に行った気分になる。
舞台袖からスタッフが見えたりすれば、けっこう冷める。
だからこそ、スタッフさんはいつも真っ黒な恰好。
なんとなく、そんな裏の魅力。
これを全く見せてくれないからこそ、の魅力。
こんな事をふと思った。
でも、とある道端で見つけた銅像。
裏に隠れてないで出てこいよ。笑
チラリズム。