安藤先生
年末、訃報が届いた。
私が現役時代の晩年(33~38才)の6年
間、自主トレでお世話になった岐阜県
土岐市の陶芸家「安藤 實」先生が亡
くなられた。
土岐市の片田舎の温泉宿に身を置き、
午前中トレーニングを行いキャンプに
向けての体を作る。
午後からはジャージを作務衣に着替え
多治見の窯場に行き陶器作りをした。
その指南をしてくださったのが安藤先
生だった。
菊練り、ろくろ、高台作り、素焼き、
釉薬付け、本焼き、と、工程を経て
器が出来上がる。
6年間で相当の作陶をしたが、誰も買
ってはくれなかった。
陶芸を始めると、精神修行ですか?
精神集中のため?などと聞かれたが、
趣味として始めただけだった。
安藤先生の器は土の力を借り、炎の力
を借り、釉薬の力を借りて出来上がる。
焼き上がった器がイメージとは違って
も決して割ることはしなかった。今は
気に入らなくても時間が過ぎれば好き
になるかもしれない。
人作りも一緒だなと思った。
物の見方、考え方、全てにおいて安藤
先生と過ごした時間は貴重な財産とな
りました
。
安藤先生から頂いた茶碗です
私が”富士山が好きだ”と言ったら富士
山の陶板を作ってくれた。
安藤先生の作陶は使いやすく、手に馴
染み、あじがある。
有名料亭にも人気があり料理人のファ
ンも多かった。
陶芸家として研究熱心で土や釉薬を混
ぜチャレンジもしていたという。
今日2日、岐阜日帰りで先生の顔を見
て来たが、トレードマークの髭は
健在
で”元気かの~”と声をかけてくれそうだった。恵子姉さん、義典兄さんも、
“大往生だった”よと言っていた・・・
88才の人生、お疲れ様でした
・・
あなたに出会えてよかった・・・
どうぞ、安らかにお眠り下さい・・