夢をみた
ミュージカル薄桜鬼~藤堂平助篇~
全日程が幕を閉じました。
2夜明け。心境も穏やかになり、想い出しながら少し、この場を借りて感想でも書かせて頂こうかと思いまして。
恐らく長くなるので、暇なときにでも読んでやって下さい。
まず一番最初に想うことは。
やはり、ご来場頂いた皆様、ご視聴下さった皆様、応援して頂いた皆様への感謝の気持ち。
そして、この作品で共に闘う事が出来た、キャスト、スタッフ、カンパニー一同への感謝に尽きます。
改めまして、本当にありがとう御座いました。
思えば、この作品を上演する瞬間が本当に来るなんて、想像もしていなかったし、初日の幕を開けるまでまったく実感さえ持てなかった。
全公演を終え、今は…まあ夢だったんじゃないかと何分かに一度思ってはおりますが。笑
上演したのだな、と。沢山の仲間に支えられ、押し上げて頂き、お客様に届ける事が出来たんだと思うと、感慨もひとしおで御座います。
あれは、初演の頃だった。
順風満帆な旅では無く。決して勝ち戦では無く。届けたい想いは数え切れない程あるのに、目の前には困難ばかりで。
どうすれば伝わるのだろう、届けられるのだろうと、キャストやスタッフと連日模索し、時にはぶつかり合い、馬鹿げた夢を語っては夢物語だなんて笑い飛ばしていたんです。
「このミュージカルを見た人が原作に興味を持って、薄桜鬼の輪がもっと広がったら」
「いつか、この作品を押し上げて、新選組の本拠地、京都で上演出来たら凄いよな!」
「いやいや、まずは第2作を作らなきゃ!何年後なら出来るかな?」
「誰々監督の映画に出たい!みたいに、いつか、役者がこの作品に出る為に頑張る!とか言い出したら嬉しいな」
あの時は全部がただの夢物語で、現実も見れない若僧が何を大層な事言ってんだと。
だけど、ミュージカル薄桜鬼と云う作品に夢を乗せた人間たちは、その夢物語を誰一人として否定しなかった。
現実にするんだともがき続けた。
斎藤篇の千秋楽、いっぱいのお客様に拍手を頂き、夢物語を現実にする一歩を踏み出した。
あの時の座長、松田凌の横顔を僕は一生忘れない。
2作目、沖田篇では、座長廣瀬大介を筆頭に、何を作りたかったのか何を届ける為にこの作品を作るのか、考えに考えた。
夢が現実になって行く一日一日に、ただただ嬉しかった。
3作目、土方篇。正直ここまで出来るなんて思っていなかった。
僕達が目指した物はちゃんとお客さんに届いているぞ、と誇らしかった。矢崎広座長は、僕達の夢を背負って、伝説を作ると言ってくれた。
その背中は眩しかった。
4作目。LIVE。
愛されている作品でなければ、本編以外の物を上演するなんて出来っこない。だけど、これが現実になる。
チケットの完売、観たくても観れない人が居た。
あの時語った夢物語が現実になっていく。
5作目、風間篇。
初の地方公演に胸が踊る。そして、原作の物語でも最難関だと目されていた風間篇は、オリジナル要素の強い脚本、勝吾座長の鬼迫で見事「ミュージカル薄桜鬼」を作り上げた。
そして、今作、藤堂篇。
言い続けていた京都での公演が実現する。胸が熱くなった…
新キャストは、ミュージカル薄桜鬼に出る事が夢だったと言ってくれた。
連日超満員のお客様に観て頂き、沢山の拍手と涙と笑顔を頂いた。
ここまで来たんだ。
一歩一歩、着実に夢の階段を登ってきた。
馬鹿にされたあの時の夢物語は、今目の前に現実として此処にある。
何なんだよこれ。嘘だろ。夢だったんじゃなかったのか。
あの時の自分達に胸を張って言いたい。夢で結構。大いに語れ。
「紛い物だろうが何だろうが、貫きゃ誠になるはずだ」
だからこそ、今改めて思う。
ここまでの道程、決して楽では無かったけれども。
この作品に夢を見た全ての人達に感謝します。
原作薄桜鬼を生んだ方達、ミュージカル薄桜鬼を作ると言ってくれた人達、毛利さんをはじめスタッフのみんな。初演から一緒にやってきた人達、それぞれの物語から新たに加わってくれた人達。今回から共に闘った人達。
皆それぞれ、誰が一人欠けても、この作品は生まれなかった。
「想いはそれぞれでも、一緒に目指した道。今は離れていても、目指す目的いつだって」
僕たちは今、誰かの夢の上に立っているんです。
千秋楽の挨拶でも少し話させて頂いたんですけどね。
あの時、誰かが思い描いた夢の上に立ち、僕らは夢を見たんです。
そうして、夢はどんどん膨らみ、重なり、誰かの夢を叶える事が誰かの夢になる。
ひとつづつ現実になり、また誰かを乗せて大きくなっていく。
いま、この作品は僕らが見た夢の上に立っています。
更に、新しい人達の夢も乗せこれからまだまだ大きくなります。
もちろん。それはお客様の分まで。
この作品に関わる全ての人の夢を叶えたい。
願わくば…
この作品に夢を見た人達、それぞれの道、これからの夢も応援して頂ければ幸いです。
そして薄桜鬼をこれからも宜しくお願い致します。
ミュージカル薄桜鬼
ご来場、誠に有難う御座いました。
毎公演、お客様から頂いた温かい拍手や、涙、笑顔に何度救われた事か。
届けるお客様が居て初めて作品に成り得ます。
ミュージカル薄桜鬼を作ったのは、夢を押し上げてくれたのは、紛れもなく。お客様ひとりひとりのお力です。作品をキャラクターを物語を、愛してくれて有難う。
またいつか、何処かで会える日まで。
最後に。
「振り向かずに…前だけ見て進め。行けるところまで行こう。走り続けて明日へ」
池田純矢
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