【第29節 福岡戦 記者会見コメント】三浦 泰年監督
【試合総括】
いつもの勝利は勝った瞬間の笛の直後の一瞬で、1分も持たずに過ぎ去ってしまう事が多いのですが、今日の勝利はいつもより長くその勝利の瞬間を味わっていたいな。というそういう気分になる試合だったと思います。
ただすぐに連戦で中2日で試合な訳ですから、こういうダービーマッチらしいサッカーが出来た事を自分たちの自信に繋げて次の試合に臨んで行きたいと思っています。
今日の試合のポイントは後半の入りだったと思います。
前半はもちろんいい形で2点取れましたが、前半のアディショナルタイムで失点をするという事は試合を難しくしたという状況になりましたし、これをしっかり後半ポジティブな気持ちで切り替えて入っていけるかどうか？そこにはしっかりした戦術的なものとしっかりした彼らの纏まること、集団で団結して後半に臨めるかということ、そして点を取りに行く意識を持てるかという事。1点リードしている訳ですから。
この辺がポイントだったと思いますが、後半は非常に良い入りが出来たと思います。
彼らは勇敢に90分間プラスアディショナルタイムを戦い抜く事が出来ましたし、そういう形でダービーらしく、我々が思うダービー感の強さを出せる試合になりましたから、サポーターも我々がやってきた事を大きな目で評価し、目先の勝利ではなく、先を見据えた勝利と認識してくれるのではないかと思います。
いま戦った選手というのは初年度で福岡ダービーを味わった選手は少ないと思いますが、そういう中で我々クラブの歴史というものが１ページ、同じ県で同じカテゴリーで戦うというタービーで１ページ捲ることが出来たと思いますし、我々はＪリーグの大先輩であるアビスパに追いつこうとするのではなく、彼らとは違う道を進んでいかなければ彼らの上に行く事はできないのではないかと思います。
そういう意味では自分たちがアビスパと違う道を見つけて第一歩が切れたのではないかと思っています。
４点を取ると、どうしても攻撃に注目しがちですが、やはり最終ラインが若いという事、もちろんアビスパさんが最後に何がなんでも点を取りにに来るという状況の中で守備陣のミスを１番後ろにいる佐藤優也がカバーして決定的なシーンを防いだ。私の中では彼がＭＶＰだったのではないかと思います。
ただＦＷ陣も中々点を取れない試合が多かった中で、今日のような綺麗な点をＦＷ陣も取りましたので、そういう意味では今まで取れなかった分、この後しっかり形を継続していけるようにＦＷ陣のいいパフォーマンスを期待したいと思います。
今日は本当に数々のメディアと数多くのサポーターが勝つ為に来てくれて、非常にありがたいと思っています。いい試合が出来たなと思っています。
【以下、質疑応答】
Ｑ：最終ラインが若いという事でしたが、若いから具体的にどうなってしまったのでしょうか？
Ａ：彼らはラインを高く保って、強いセンターフォワードに対してプレッシャーをかけながら、裏に出るボールをしっかりとしたスプリントでケアする事を９０分間続けましたが、やはりイージーなミスパス、イージーな取られ方があり、それによって後半は何度かキーパーと１対１のシーンを作られる状況があった。そういう意味ではいいプレーを続けていたもののミスが起きた。その辺を佐藤優也がしっかりカバーしてくれた。ＤＦ陣に関しては合格点を挙げてもいい出来だったのではないかと思います。彼ららしいアグレッシブなしっかりしたマーキングから相手のボールを奪う非常にスピーディな守備が出来ていたと思っています。
Ｑ：この試合で端戸選手は２ゴールを挙げました。特に２点目は意図する形だったと思いますが、今まではトレーニングの中で決めていたものが、試合では中々決まらなかったのが今日のダービーで決まったのは何か変わったのでしょうか？
Ａ：もちろんこのダービーという雰囲気、彼もコメントで言っていましたが、１戦目にレベスタで彼自身のパフォーマンスを納得していなかった部分もあるだろうし、それを何とか本城のサポーターの前で取り返したい、彼自身の強い信念というか強い気持ちがこういうゴールを生み出したのではないかと思います。
あなたが仰るようにトレーニングではああいう位置から簡単に決める彼ですから、本番の大事な試合でこういうゴール決めたのは非常に心強いと思います。
Ｑ：前回のレベスタでの対戦の後、相手を怖がっているように見えると監督はコメントしていましたが、この２か月半間でどの部分が一番選手の意識が高くなったと思いますか？
Ａ：もちろん試合の展開もありますし、ホームとアウェイの違いもありますし、私のミーティングや準備の仕方の中で彼らにダービーの大きさを過剰に反応させてしまった可能性もあります。今回は２回目という事、負けていたという事、アビスパが我々に勝ち続けているという事、そういう意味では心理状態がアビスパの方が我々に負けたらどうしようという強い、過度なプレッシャーがかかっていたのではないかと思っています。
今日は我々は前回のダービーよりもそういう意味では心理状態が落ち着いた形でまたはいい状況で勇敢に戦えた１つの要因であったと思います。
Ｑ：試合前にサポーターに話を聞くと、地元の池元選手に対する期待値が高かった試合だと思いますが、その期待が集まる中で結果を出した池元選手に対する評価をお願いします。
Ａ：大分で非常に難しい試合になり、１人少ない状況の中で流れが自分たちに来るという大事な得点をアウェイで挙げる事ができた。それを彼が連続得点する、それをホームでやはり取りたかったという、そういう意味では彼に勝負強さが戻って来たのだと思います。点は取れなかったものの彼はトレーニングの中でしっかりとした努力と準備を続けてきた事が、結果に繋がったのだと思いますのでこれからもしかりとした準備を続けていって欲しいと思います。
Ｑ：今日、鈴木選手が移籍後初先発を果たしましたが彼の役割は何だったのでしょうか？
Ａ：彼がこのクラブに来た日に彼に伝えたのは、若手の見本になってくれという事ではなく、君自身がこのクラブで幸せになる為にプレーしなさい。それは何かというと自分のプレーをしなさいという事。ただ、自分のプレーをするという事は周りをしっかりと理解する事、周りとの関係をしっかり持つ事が自分が活きていく事、それと同時に仲間を活かせなければいけない。彼はそういう私の考え方をしっかりと理解してここまでトレーニングしてきた。そういう意味では彼が３４歳とういう年齢で我々の選手にはないゲームをコントロールする落ち着きであったり我々のサッカーとは全く違った視野がある、そういう彼の資質がきっと出るだろうなと思いましたが、彼に過剰に期待した訳ではなく、彼がこの試合を楽しむことができれば良いと思っていましたので、この試合に出場して本城で初勝利をして、初ベンチでは大分に勝利をして彼にとっては良い試合だったのではないかと思います。彼自身も続けて行く事によって彼の選手としての幸せがついてくると思いますのでこれからも勝利して欲しいと思います。
Ｑ：今日は非常に大きな勝利となりましたが最初に掲げた８２という目標はもう現実的になくなっていますが、何かしら目標は伝えているのでしょうか？
Ａ：無くなった瞬間のミーティングで彼らには新しいイメージする数字を彼らには伝えてあります。ただメディアには伝える必要はないと思っています。我々が我々の練習をこれからも続けるという事だと思っています。
