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医療で使用されるマリファナの実態。

昔から医療用のマリファナの存在は知っていた。しかし、どのように使用するのかは知らなかった。

抗不安薬のサポートして使うのか?がん性疼痛などの痛みを緩和させるためのどちらかだろうと想像していたが痛みの軽減をするためのサポートで使ってるみたいである。

エビデンスもそんなに無く医療用マリファナの使用指針も明確なものが無いのなら医師の立場としては非常に使いにくい薬となります。

しかし、最近 なぜ医療用マリファナを認可する州が増えているのだろう?

大人の理由があるのだろうか?




米国の半数以上の州が「医療」目的のマリファナを承認しており、2016年11月の選挙後3つの州が加わった。限定されたエビデンスにより、マリファナには鎮痛作用(Clin J Pain 2013; 29:162:http://dx.doi.org/10.1097/AJP.0b013e31824c5e4c

)があり、慢性疼痛がある個人においてより危険な処方オピオイドの長期使用に代わることができるかもしれないこと(J Pain 2016; 17:739:http://dx.doi.org/10.1016/j.jpain.2016.03.002)が示唆されているが、医療化が娯楽使用の合法化のための最初の一手であることが多いという懸念や、一部の患者が非医学的な苦痛を「和らげる」ために大麻を使用するという懸念が残っている。一方、マリファナの、とくに常用(医療目的使用者に多い)に伴う、青年期の脳に対する害(J Neurosci 2014; 34:5529:http://dx.doi.org/10.1523/JNEUROSCI.4745-13.2014)、成人における皮質の灰白質の減少(Proc Natl Acad Sci U S A 2014; 111:16913:http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1415297111)、認知機能の低下(Biol Psychiatry 2016; 79:557:http://dx.doi.org/10.1016/j.biopsych.2015.12.002)、および精神病リスクの上昇(Lancet Psychiatry 2015; 2:233:http://dx.doi.org/10.1016/S2215-0366(14)00117-5)、さらに乗物事故(BMJ 2012; 344:e536:http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e536)などの有害作用は、決定的に示されている。

全米50州における成人96,100人を対象とした調査データの最近の分析がこの議論にさらに情報を与えている(JAMA 2017; 317:209:http://dx.doi.org/10.1001/jama.2016.18900)。研究者らは過去1年間のマリファナ使用者(参加者の12.9%)の精神的および身体的健康を医療(0.8%)、娯楽(11.6%)、両方(0.5%)の使用目的別に比較した。医療目的使用者と娯楽目的の使用者は、心疾患、高血圧、糖尿病、喘息、肝炎、HIV/AIDS、大うつ病、自殺念慮、違法薬使用障害、煙草・コカイン・幻覚薬・ヘロイン・吸入薬物の使用、鎮静薬の医療目的以外の使用の割合が同様であった。しかし、娯楽目的使用者と比較して、医療目的のみの使用者は不安障害、自覚的不健康、能力障害の割合が高く、またアルコール摂取および興奮薬と処方鎮痛薬の医療目的以外の使用の割合が低いことを回答していて、マリファナを毎日使用する割合が高かった。処方鎮痛剤の医療目的以外の使用が少ないことは、疼痛への使用と一致しているのかもしれない。不安の率がより高いことは連日使用による周期的な離脱反応、定期使用による不安の発生、または、場合によってはより悪い健康状態による精神的苦痛の増大を示しているかもしれないことから、使用は特定の医学的状態ではなく、苦悩を軽減するためであることが示唆される。

これらの所見はこれまでの小規模研究の所見と一致している。私が昨年公表した記事(Am J Addict 2015; 24:599:http://dx.doi.org/10.1111/ajad.12270)は、効果量は小さかったが、医療目的使用者のほうが娯楽目的使用者より自覚的健康が不良で、痛みが強く、身体的適応障害が大きいことを確認した。唯一の医学的疾患における差は、医療目的使用者のほうが結合組織/骨格疾患および癌の割合が高いことであった。マリファナ以外の違法薬物を2剤以上使用した割合は医療目的使用者と娯楽目的使用者で同様であった(48%および58%)が、医療目的使用者のほうが重度の薬物問題を有する割合は低かった。これらの研究から導いた私の結論は次のとおりである:医療目的使用者と娯楽目的使用者は違いより類似点のほうが多く、その違いは小さい。 このことから、医学的状況を標的とする「医療目的使用者」はおそらく少数のみであることが示唆される。

癌患者が悪心および疼痛にマリファナを使用すること、処方オピオイドを断ち切れない慢性疼痛患者がマリファナを代わりに使うことは想像できる。ところが、他の多くの人達がマリファナを、benzodiazepineと同様の迅速に作用する、抗不安薬、抗ストレス薬として、有効性に関するランダム化対照のエビデンスがなく、投与ストラテジーの知識、または長期的な有害作用、忍容性、離脱現象、および作用機序の理解がないまま使用することも想像できる。

縦断的エビデンスは、マリファナの使用がその後の不安や気分障害のリスクを上昇させるかどうかについて相反した結果を示している(BMC Psychiatry 2014; 14:136[http://dx.doi.org/10.1186/1471-244X-14-136]、JAMA Psychiatry 2016; 73:388[http://dx.doi.org/10.1001/jamapsychiatry.2015.3229]、およびPsychol Med 2014; 44:797[http://dx.doi.org/10.1017/S0033291713001438])。そうではあるが、大麻使用は既に不安および抑うつの症状がある人々に悪影響を及ぼす可能性がある。私の診療において、すでにこれらの症状に苦しんでいる使用者はさらに有害な影響を経験しており、それらは、中止で一様に改善する。動物モデルではendocannabinoidシステムがストレスおよび不安反応に関与していることが示されているが、大麻草がこれらの状態を治療することを示すヒトでのエビデンスはなく、とくにさまざまなカンナビノイドは反対の作用を持ちうる。

確固たる研究がマリファナに医学的利益があるかどうか、どの程度あるのかを明らかに同定できるまで、逸話と感情が患者と医師、および州議会の行動を左右し続けるかもしれない。私は、医師がマリファナの医療目的使用を考慮する前に、標準的な医学的方法を追求することを強く提案する。精神科医としての私の診療では、感情的苦悩に対するエビデンスに基づいた薬物療法および精神療法が無数ある。マリファナの迅速に作用する性質は、リラックスさせる作用や多幸感をもたらす作用とともに、患者にも医師にも同じように魅惑的であることは明らかだが、その長期的効果は予測できない。

— Peter Roy-Byrne, MD

Published in NEJM Journal Watch General Medicine January 9, 2017



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