MarkStrand
いつものお気に入りの古本屋で掘ってきた一冊。
マーク・ストランドは、アメリカ現代詩界を代表する詩人で、彼にとって数少ない短編小説集。
表題作『犬の人生』は、夫が、かつて自分は犬であったことを妻に告白する。
犬であることの喜びと悲しみ、愛した何匹かの犬について。あの頃は「幸せだった」と…
訳者、村上春樹氏の「訳者あとがき」も興味深い。
親交のあった作家、レイモンド・カーヴァーがなくなったあとで、家を訪ねたときのエピソードが書かれている。カーヴァーの本棚からマーク・ストランドの詩に出くわした、という話。
野原の中で
僕のぶんだけ
野原が欠けている。
いつだって
そうなんだ。
どこにいても
僕はその欠けた部分。
歩いていると
僕は空気を分かつのだけれど
いつも決まって
空気がさっと動いて
ぼくがそれまでいた空間を塞いでいく。
僕らはみんな動くための
理由を持っているけど
僕が動くのは
物事を崩さぬため。
またいい作品に巡り会えた
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