前を向いて…
先日、日本に帰国しました。今回は色々な事が起こりすぎて何を書いていいのか整理出来ずなかなか更新出来ませんでした。
大会2日目に19歳以下に出場していたサクソン・バード選手がレース中に行方不明となり、約1時間にもおよぶIRBと水上バイク、ライフセーバー達による捜索の結果、ピックアップされましたが、残念ながらお亡くなりになるという痛ましい事故が発生しました。捜索中は当然のことながら競技はすべて一時中止、全員が海からあがり浜で待機との主催者からの指示がありました。最終的には、オーシャン競技は全て中止となりました。
彼がいなくなったと分かった瞬間、僕も近くにいたのですぐに海に飛び込み捜索しました。
その後、大会会場にいた多くのライフセーバー達が協力し合い、みんなが荒れ狂う海に飛び込み、必死に捜索しました。その数は数えきれないくらいの人数になっていました。海岸線を大勢が走り、海の中に飛び込み…..。
その光景はこれからも一生忘れる事はありません。
ライフセービング競技にこのような事故は起きてはならないと思うし、目の前でこのような事故が起きて、二度と起きてはならない事だと感じました。
今も、彼の事を想うと胸が締め付けられます。
彼を捜すライフセーバー達をみて、これからもこういう事故を起こさない為にも我々が悲しんでいるだけではなく、前を向いて、あのような事故が起きないように頑張るしかない。
あの場にいたみんなが心に強く持っていた「彼を助けたい」「彼をみつけたい」という「強い気持ち」が、ライフセーバーとしての本当に必要な気持ちだと改めて思います。
彼の為にも、彼の仲間や家族の為にも、あの「強い気持ち」を胸に刻み、我々は前を向いてライフセーバーとして活動し続けます。
大会最終日、彼の追悼セレモニーが行われました。
あの場にいた何千人ものライフセーバー達が会場で一つになり、悲しみを超えて、前へ歩き出した瞬間は涙が止まりませんでした。
自然にはかないません。
経験なんてちっぽけな物です。
大会最終日にはあの事故が起こった日と比べて、波は小さくなっていました。
何とも言いようのない切ない気持ちと同時に
気持ちが本当に参っていました。
完全にその海を見て、参りました。
嵐が過ぎ去り、我々に爪痕を深く残しましたが、それでもみんな前を向いて歩いています。
ライフセーバーとしてもっともっと強くならないといけません。
メンバーみんなで捜索し、それを指揮した日本代表監督、代表関係者、そして代表メンバーにも敬意を表します。
あのメンバーで遠征に行けた事を誇りに思います。
サクソン・バード選手ならびにご家族に対しまして、追悼の意を表します。
最近の画像つき記事
コメント （0件）
現在、この記事へのトラックバックは受け付けていません。
コメントする