インプラントという選択肢
↑ 去年の今頃、新人研修の為に豚さんの顎骨を使ってデモンストレーションした時の写真です。豚さんの場合、「埋伏歯」という幼若な歯が顎の中に何本も埋まっていることが多く、人間よりもむしろ大変なことがあるのですよ(^^;;
すでに一般の方にも浸透してきつつある『インプラント治療』ですが、簡単に言うと失われた歯の代わりに人工歯根(=生体に最もなじみやすい金属であるチタン)を顎の骨に埋め込み、自分の歯のように機能を回復させる治療法です。
↑ あらかじめ三次元のCT画像を基にシュミレーションしておきます。骨の厚みや角度を計算して、どのサイズのインプラント体が合うかな〜と考えているところ。
インプラント治療…
成功率が高く非常に素晴らしいシステムですが、一方で誰にでも適しているわけではありません。
全身疾患があれば適応出来ないケースも多々ありますし、自分の歯が歯周病で失われるのと同様、普段のブラッシングを怠れば『インプラント周囲炎』という炎症を起こしてダメになります。
インプラントの必要がある=失った歯が多い=元から何らかのトラブルが起こりやすい口腔環境を持った患者さんである、と言えます。
ブラッシングが苦手、歯ぎしりがある、糖尿病の既往がある…etc.様々ですね。(女性の場合は妊娠・出産を機に急激に歯が悪くなることがあり、特にメンテナンスの重要性を意識してもらいたいと感じています。)
だから、インプラント治療にゴールは無いのです。
「歯が入っておしまい」ではなく、その後のメンテナンスをしっかり頑張っていただけるというお約束が出来ない限りはオススメできません。
痛い思いをして、高いお金を出して…成果が無ければ意味が無いですものね。
ほぼ全員の患者さんが「やって良かったな」と感じる、非常に満足度の高い治療であることは間違いありません。
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