Dreamers
俺の馬鹿みたいな夢を馬鹿にしなかった奴らから、次々とこの船に乗っていく。
今日この場にいない仲間も合わせると、ゆうにこの10倍は超えるだろう。
思い返すと当初の起業理念は、
「PRをもっと身近に、全ての人に」だった。
趣味でストリートスナップサイトを運営してて、
独学ながらクリエイティブのノウハウはあったから、
予算の少ない零細企業や個人事業主、個人商店、アーティストなどに向けた
広告制作会社を立ち上げたのが全ての始まり。
平日は正社員で働きながらノーパソ一台、デジカメ一台で、
原宿の路上から東京コレクションのレッドカーペットまで上り詰めた。
関連事業は累計16を超え、
あっという間に本業収入を追い抜き、
メディアに取り上げられて、
芸能人と友達になって、
何でも買えるようになって、
地元に帰ればチヤホヤされて…。
でも自分一人の欲なんてあっという間に満たされちゃって、
なんか虚しかったんだよね、「え？もしかして人の幸福ってこれで終わりなの？」って。
そりゃそうだ、
どんなに良い服を買っても体は一つしかないし、
豪華な食事をしてもお腹はすぐにいっぱいになっちゃうし、
どれだけ旅行やデートに行けたって、24時間が増えるわけじゃないもの。
そうこうしてる内に世界はSNSが普及して、
誰もが自己ブランディングを出来る様になり、
一般人が一夜にして大企業と肩を並べられる時代が来た。
にも関わらず周りを見回すと、
まだまだやりたくもない仕事と家の往復を繰り返したり、
やりたいことが見つからずに毎日誰かの作ったゲームや動画で時間を無駄にする層が沢山居たんだよね。
なんでだ！？
いや、適度にならいいんだけどさ、俺だってゲームや動画は好きだけどさ、
日銭稼ぎと暇潰しがあんたの人生そのものになっちゃったらさ、
なんかたった一度きりの人生もったいないじゃん。
せっかくもらった命の活かし方を全然分かってない！
俺はお金を得て贅沢な暮らし出来るようになった後よりも、
定時で一目散に帰ってきっちり家事育児したあと、
一息もつかずに起業仲間とドリンクバーで会議ごっこしてた頃の方がワクワクした。
明日の仕事なんか気にせずに夜毎、夢を語ってた。
父親として社会人として以外に、もう一人の輝いてる青年がいたんだよね。
「俺！今！命を燃やしてる！人生を充実し尽くそうとしてる！」って思えた。
別になにもここまでしろなんて言ってない、
でも今の自分を心から大好きだと思えないのなら、
少しだけ何かを変えてみてもいいんじゃないか？とは思う。
だからかな、最近企業理念がちょっと変わってきた。
当初は「既に夢を持っている人を手伝いたい」だったけれど、
今は「夢を持たず漠然と生きてる人を輝かせたい」になってってる。
スタートアップ支援も、
ママさん向けモデルスクールも、
ハンドメイドのオンラインスクールも、
写真の撮れるお花屋さんも、
若手にスポットを当てたファッションショーも、
パーソナルビューティールームもそうでしょ？
全ての新規事業がその理念に則してる。
俺は人の生を輝かせる、自分を好きになれる仕事しか創らない。
特別な人間なんてホントはいなくて、そんなの逃げ文句でしかなくて、
俺も含めてただの凡人なんだけど、
要は夢を諦めた大人か、大人げなく夢を見続けてる馬鹿かの違いなだけでしょ。
俺はいつまでも変わらず、馬鹿な夢を見て、大言壮語を語って、それを仲間達と叶えたい。
あなたはどっちだ？
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