ありがとうございました‼︎!
ビックリすることに、ブログアクセスランキングが総合2位になってしまった
限られた時間の中で全てをお伝えすることは非常に難しく、ともすると誤解を招くことがあるかも知れません。
それでも私は伝えたい。
15年臨床に携わり、それぞれの患者さんの人生に寄り添った経験から学んだことが沢山あるから。
歯科医になってからの最初の8年間は、頭頸部悪性腫瘍の患者さんのリハビリ治療を専門に無我夢中で走っていました。
患者さんが人生を終える瞬間に立ち会うというのは歯科医としてはなかなか無い経験かも知れません。
舌がんで声を失い、飲み込むことも不自由になった患者さんが私達にアーモンドチョコレートを何箱も差し入れてくれたことがありました。「昔は私の好物だったけど、もう二度と食べられないのかと思うと悲しいから先生達に食べてもらいたいの。」と筆談で示された時は涙をこらえるのに必死でした。
美味しく食事を摂れることが、人間が人間らしく生き生きと暮らす為に何より大切だということを教えていただきました。
入れ歯に使う人工歯を、今までより白いものに変えたことで「気持ちも若返って嬉しい」と涙を流された80代の患者さんがいたこと。
働き盛りの40代男性が末期の歯肉がんで来院され、放心状態の中で「そういえばここ半年は鏡を見ていなかったな…」と呟かれたこと。自分でわかる場所に出来た腫瘍なのに、会社の同僚に指摘されたという事実。
お口に興味を持ち、少しでも変化に気づいていたなら救えた命なのではないかと悔しく思ったこと…
世の中に口腔ケアの大切さを伝えたい。
その後歯科医として180度の方向転換をしました。
皆さんがわかりやすく歯に興味を持つにはブームを作るしかない、と。
その当時オシャレ女子のスタンダードになりつつあったホワイトニングの技術を徹底的に学び、同時に、白くした自分の歯に合わせてセラミックやジルコニアという最新の材料を使って詰め物や被せ物を作る審美歯科治療を専門に修行しました。
最初は見た目が気になりセラミックを入れたいとおっしゃった患者さんが、ある時「先生、これまで気になっていたお口の嫌なにおいやベタつきが全く無くなったの。」と教えてくださったことでまた新たな気づきがありました。
そうか!材質によってお口は変わるのか!
その後金属を沢山入れている友人をモデルに、一つずつセラミックに替えていき汚れの付き具合を観察させてもらいました。
噛み合わせの状態や場所によって最適な材料が異なることも学びました。
口臭予防の基本はプラークコントロールです。
歯周病やむし歯をやっつけないと絶対に良くなりません。
しかしながら一方で、不適合な銀歯が原因でむし歯や歯周病が悪化する事実を知らないと、結局は歯を失うことになりかねません。
患者さんには【知る権利】があるのです。
私が目指すのは、自分のお口にはどういうケアや材料が合っているのかを患者さんとディスカッションしながら決めて行く医療。
その為には医療者側も勉強しなければなりませんし、世の中にもっともっと正しい情報が伝わることが大切だと考えています。