焼肉「うし松」西麻布にオープン、佐々木譲さんの岩手水沢牛など雌牛専門
いまや肉レストランの激戦区と言われて久しい東京・西麻布。
カルネヤサノマンズ、焼肉けんしろう、The INNOCENT CARVERY、うしごろ・・・などなど、枚挙にいとまがありません。
そんな西麻布に1月10日、新たにオープンした焼肉店が「うし松」です。
うし松では良質な黒毛和牛、それも雌牛にこだわり、岩手県の佐々木譲さんの水沢牛をはじめ、茨城の飯村牛、神戸ビーフや松阪牛などを品揃え。
いわゆる1頭買いで仕入れされていて、おまかせコースを柱に、アラカルトを差し込みながら、黒毛和牛の魅力を存分に楽しむことができるお店です。
素材へのこだわりはもちろんですが、お肉の醍醐味を知り尽くしたカット、肉の厚み、たれ、提供方法などなど、一皿、一皿に工夫があり、細部にまでこだわりが感じられるものばかり。
このようなお店で提供していただけるお肉の生産者は本当に幸せだろうな〜と。感じました。
席に着くなり、その日オススメのお肉が登場します!
この肉の美しさ!
瞬く間に表面に汗をかくように、溶け出していく良いお肉。
佐々木譲さんの水沢牛。
しかも、美方郡産の純但馬!!
出荷月齢40ヵ月、血統は照忠土井でした。
岩手県
佐々木譲さん
佐々木譲さんの水沢牛といえば私の推し牛メンの1人。
牛の餌では一般的なトウモロコシをほとんど使わずに、
雌牛をほぼ麦で育てているという、類稀なる牛飼いさん。
但馬系の雌牛を長期肥育しています。
長く飼い込んだ牛は脂質が良くなるのはもちろん、赤身にも味わいが出るのです。
譲さんのお肉は、麦らしいぽってりとした肉質で、麦の香り、繊細な脂質が感じられるところが好きです。
久々にお会いしたら髪がロングになっていました(笑)左奥
うし松の総料理長を務められるのは平久保辰郎さん。
焼肉しみずで修行されたそうです。
予約必至のメニューがこの「縛りタン」。
味ネギを包み込んだ俵型のタン。
俵型にネギを包み込んだまま焼くことで滴る旨みを蓄えた状態で口の中へ
うまーい。
厚切りタンは得意な方ではないのですが、全くにおい気にならず、とっても美味しくいただくことができました。
そして艶艶したお肉たち…
これらすべて譲さんのお肉
純但馬
照忠土井
なんと贅沢なことでしょう
美しい。
とても上品で、香りもあり、余韻が長く続く良いお肉でした。
この焼き色。
色香がスゴイです。
そして、ビーフサンドが登場
前半のお肉もすごい力の入れようなのに、うし松は〆に向けてさらにギアを上げていきます・・・
最後の最後の〆に、佐々木譲さんの純但馬のサーロインの牛丼
しかも、この牛丼、テーブルの網の上で、目の前ですき焼きしてもらえるのです。
網の上には本格的なすき焼き鍋
アリエナイ。
このサーロイン・・・・カットが贅沢すぎやしませんか
「1枚にします?2枚にします?」
私にしては珍しく強気の2枚と即答。
あまりの美味しさに・・・
小池さんのお肉を分けていただき、計3枚もいただいてしまいました
〆は冷麺、牛丼、カレー、ガーリック炒飯から選ぶことができるのですが、
直樹社長がわがまま(ゴメンナサイ)?!
なおかげで、特別に色々いただくことができました。
冷麺
ガーリック炒飯は梅肉を添えていただきます。
デザートもプリン、シャーベットから選ぶことができます。
自家製プリンにしました!
いずれのメニューも完成度がとても高かったです。
この日にいただいたような脂質が抜群に良く、引っかかるところのないお肉というのはとても希少です。
但馬系でも脂が強めのものはありますし、牛は生き物ですから、個体によりスッキリとは食べにくいものも当然出てきます。
それもまた個性。
雌牛や但馬系に仕入れを絞ることで、そのばらつきは狭められますし、
タレやカットなどの工夫で、美味しくいただけるのも良い焼肉店の証であると私は思います。
その点、他のタイプのお肉だったとしても、始まりから最後まで美味しくいただけるイメージがはっきりと浮かぶ完成度の高い内容でした。
お店は落ち着いてゆったりとお食事することができる空間が確保されています。
個室も完備されています。
激戦区へ出店で注目を集める うし松。
高級焼き肉店の出店が続く中で、どこのお店も共通した課題は、やはりスタッフの教育でしょうか。
サービスレベルの平準化がポイントになりそうです。
鉄板焼の焼手にも言えることですが、
お肉は本当に奥が深いのでここを極められるかどうか。
面白いと思って深められると、その想いがお客様に波及して爆発するのかも。
オーナーさんに参入の理由をお尋ねしたところ御祖父母が但馬で牛飼いをされていたそうです。
うし松の原点は但馬牛なのですね。
牛飼いや但馬牛への敬意が感じられるとても良い貴重な時間を過ごさせていただきました。
ご一緒させていただいた皆さま、ありがとうございます。
主宰:片平梨絵