一風変わった。
おばあちゃんに遭遇した。
まいはにーと河川敷をお散歩中のこと。
普段通りかかる広めの原っぱで、周りに人や他のワンコがいない時、
「マテ」「ヨシ」の訓練を10m位離れてするのですが、
残念。トイプードルと飼い主の先客がいる……と思って諦めかけた矢先、
「青い透明のプラスチックで出来たパラボラアンテナを握りしめたおばあちゃん」がふらっと登場。
パラボラアンテナからは細いケーブルが伸びていて、
ヘッドフォンに繋がっている。
や、変でしょ。
どう考えても。
何を受信しながら歩いてるんだー!
めっちゃ気になる……。
でも、異物感あり過ぎで、迂闊に絡めない。
ちょっと離れた所でさりげなく様子を伺っていると、
先客に向かって行き「ねぇ、ねぇ、ちょっと聞いてみない?」
とヘッドフォンを外して催促し始めた。
こっちまでバリバリ伝わってくるよ、という程戸惑いながら
先客はヘッドフォンを受け取った。
耳に当てて聞きながら
「わぁ。凄い良く聞こえますね〜」
「でしょ?これね、文房具屋で買ったのよ。普通のは3980円、これは1050円……」
おばあちゃん、かなり自慢げである。
「風の音が入っちゃってねぇ、聞こえづらいんだけど……良く聞こえるでしょ?……が」
肝心な所が聞き取れないー!
弾丸のようにしゃべりまくるおばあちゃんの対処に困っている先客の所へ、
犬友(いぬとも)と思われる主婦っぽい方が登場して、
「では〜」
と話を終了させて離れていった。
あっ、次の標的は私だ!
退散しようとすると、
「こんばんはー!」って声を掛けられてしまった。
会釈でごまかして、その場を離れた。
時間に余裕のある時ならオッケーなんだけど、
困っている見知らぬおばあちゃんを手助けして、
お話に花を咲かせてしまって遅刻。
何度も経験があるのだ。
それに、今回は困っている訳ではなさそう。
勿論、惚けている訳でも。
ごめんよー。
でも、気になる。
帰り道、パラボラおばあちゃんと話してた先客さんを見つけた。
勇気を持って聞いてみた。
犬の散歩同士は顔見知りじゃなくても気軽に話せるもんなのだ。
どうやら、
・おばあちゃんは近所の音を聞いていた。
・アンテナはバードウオッチング用のもの。
・同素材の双眼鏡も付いているが持ち合わせていない。
・かなり離れた所のひそひそ話くらいなら容易に聞き取れる感度だった。
・おばあちゃんと思いきや女装のおじいさんだったかもしれない。
ということだった。
あまりに奇抜だったから、宇宙人との交信でもしてそうな感じがしたけど、
聞き耳おばあちゃん(おじいちゃん?)だったみたい。
因に補聴器の代わりという事では、全くない。
そういう趣味なんだろうな。
その後で乗ったエレベーターの中で、
白髪を紫に染めたおばあちゃんに
「荷物重くないの?」
と聞かれたのを切っ掛けに少し会話をして、降り際に
「じゃあ、またね。シーユーアゲイン?あっはは」
と言われた。
圧倒されっぱなし。
お二人のご老人のおかげで、
なんだかとっても、異世界に迷い込んだ気分になった。
楽しかった。
毎回思うけど、何でも明け透け。心の扉など一切無し。
日本のおばあちゃんは元気だ。
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