親子で読む絵物語・第3話「カエルの王子さま」2
「カエルの王子さま」
原作・「グリム童話」 文・水野英子
2・ある日近くの森でまりを投げて遊んでいると、
まりは泉に落ちてしまいました。
底は深くてまりは取れません。
お姫様は泣きながら言いました。
「誰かわたしのまりを取って来てくれたら何でもあげるわ。
服でも宝石でも、この冠だってあげてもいいわ。」
すると声がしました。
「ぼくがまりを取って来てあげましょう」
それはカエルでした。
「そのかわり、ぼくが言ったことをして下さると約束して下さい。
宝石などはいりません」
お姫さまは
「カエルなんかが何をなまいきなことを言っているの」
と思いましたが、まりが欲しかったので
「いいわ。何でも約束するわ」
と言いました。
(つづく)